沖縄セルラー電話、KDDI、倉敷紡績は8月28日、倉敷紡績が開発したIoTスマートウェア「Smartfit」を活用し、沖縄県独自の環境にあわせた熱中症リスク低減のための解析アルゴリズムを開発する実証事業を開始すると発表した。
沖縄県は全国平均より気温や湿度が高く、本土と気象条件が異なる独自の「暑熱環境」が存在する地域。実証事業では、沖縄県のIoT実証事業補助を活用し、独自のアルゴリズムを開発することで、より沖縄県の環境に適した独自の熱中症リスク管理に役立つシステムを構築。IoTスマートウェアSmartfitを着用した建設作業員のバイタルデータと沖縄県の気象データなどをクラウドサーバに蓄積することで、作業員ごとの暑熱環境下での作業リスクをリアルタイムに評価するという。
評価結果は、現場管理者や現場作業員にリスク情報として通知され、早期の熱中症予防に役立てられるとしている。また、それらの熱中症予防に役立つ知見を沖縄県と共有し、県内の熱中症対策に活用するという。
これまで、建設業や運送業などにおいて、職種や作業環境が異なる作業員の熱中症リスクを適切に把握することは困難だった。倉敷紡績は、そのような課題に対してIoTスマートウェアSmartfitから作業員のバイタルデータを収集・解析を行い、個々の作業員の環境や作業内容などを踏まえた暑熱作業リスクを容易に評価できるシステムを開発。5月より「Smartfit for work」としてサービスを提供していた。
今回の実証事業では、大米建設とサンワコムシスエンジニアリングが担当するKDDI那覇ビル解体工事、au基地局工事の現場作業員がSmartfitを5カ月間着用して作業。心拍、温度、加速度などのデータを沖縄独自のアルゴリズムの基礎データとして収集する。
さらに、日本気象協会の提供する気象データとあわせて、大阪大学 基礎工学研究科がデータを分析し、アルゴリズムを開発をすることで、熱中症リスク管理支援システムを構築するという。
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