米税関国境警備局(CBP)によると、ワシントンダレス国際空港で新たに導入された顔認識技術により、米国時間8月22日に米国に不法入国しようとしていた男が逮捕されたという。
CBPによると、26歳のこの男はブラジルのサンパウロから到着した際にフランスのパスポートを見せたが、ソフトウェアにより男の顔がパスポートの写真と一致しないとの警告が出たという。
男は尋問を受け、身体検査によって靴の中からコンゴ共和国出身であることを示す本物のIDが見つかった。
CBPが24日に述べたところによると、米連邦地検は起訴を見送り、男は22日の夜に米国を出国したという。
CBPによると、この技術を利用して身元詐称者が逮捕されたのはこれが初めてだという。同技術は20日に導入されたばかりだった。
CBPのボルチモアオフィス(メリーランド州)でディレクターを務めるCasey Durst氏は、次のように述べている。「テロリストや犯罪者は、本物の書類を盗んで利用するなど、米国に入国するために絶えず独創的な方法を探している。新たな顔認識技術は、ある人物に発行された本物の書類を他人がほぼ利用できないようにするものだ」
CBS Newsは、2015年にワシントンダレス国際空港でパイロットプログラムを実施していた同技術のデモを取材している。またオーランド国際空港は6月、このプログラムを導入した米国初の空港となった。
CBPによると、米国で顔認識システムを利用して国際線到着旅客を検査している「アーリーアダプター」(初期導入者)の空港は現時点で14あるという。CBPは、旅行者が物理的な搭乗券や身分証明書ではなく、生体認証情報を利用してセキュリティチェックを通過できるようにする将来的なプロセスに顔認識技術を組み込めるかどうかを評価しているところだと述べた。
米国以外での動きとして、オーストラリアは、旅行者の顔を保存されたデータと照合して身元を確認するパスポート不要の顔認識システムを他国に先駆けて実装することで、この技術を次の段階に引き上げている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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