だが今のところ、まだ始まったばかりだ。2016年初頭、HTTはカリフォルニア州のセントラルバレーに建造する計画のコミュニティーの一部として、米国初のHyperloopを建設する契約を取り付けた。挑戦的なタイムラインでは、早ければ2019年1月には最初の乗客を輸送することになっていた。
しかし2017年12月、コミュニティーの開発業者がこの計画を破棄したことで、Hyperloop路線を含むすべての開発計画は静かに終わった。
だが、HTTは他の計画に邁進している。その1つは、アラブ首長国連邦におけるアブダビ~ドバイ間の商用路線の建設計画だ。「ドバイ国際博覧会(Expo 2020 Dubai)」の開催に合わせて建設する。
HTTのAhlborn氏は「今秋にはスペインで本格的な客車を披露し、フランスのトゥールーズで建設中の世界初の本格的テスト路線は年内に披露する予定だ」と語った。
この5年間でHyperloopへの関心は急速に高まっているが、その技術はまだ発展途上だ。現実の世界では今のところ、本格的なHyperloopのテスト路線を建設したのはVirgin Hyperloop Oneだけだ。このテスト路線では、短距離で時速386kmまでの加速を実現した。SpaceX主催のポッド設計コンペでは、Hyperloop Oneのものよりはるかに小さなポッドが、より速いスピードを達成した。
Virgin Hyperloop Oneの広報担当者、Christoff氏は次のように述べた。「これだけの規模の非常に複雑なエンジニアリング技術を伴う壮大な計画では、たった5年では時間が全然足りない。輸送手段全体の革新的な見直しが行われるのだから」
5年間で、Hyperloop時代のコンセプトは机上からリアルなテスト路線に飛び出した。だが、この新技術がフルスピードで現実世界に向かうには、より大きな飛躍が必要だ。現実世界では、安全、資金、保険、政治的問題などの課題を考慮する必要がある。VirginもHTTも、これらのすべての課題に取り組んでおり、進捗していると語った。
HTTが望む通り、2年後の2020年に最初の商用Hyperloop路線を開くというのは、かなり楽天的にみえる。だが、力のある勢力がHyperloopに関わっている以上、2年後にこの技術が消滅することもなさそうだ。無論、ハイプとHyperloopの境は飛び越えられないと判明しなければの話だが。
念のために言うと、われわれは今のところMusk氏による最初の商用Hyperloop路線実現のタイムライン上にはいる。同氏は2013年、サンフランシスコとロサンゼルスを結ぶ路線の実現には7〜10年を要すると見積もっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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