Yubicoの創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるStina Ehrensvärd氏によると、Barack Obama前米大統領の選挙戦では、2008年と2012年の両方で、ハッカー対策としてログイン情報を保護するセキュリティキー「YubiKey」が使われたという。
Ehrensvärd氏は、セキュリティカンファレンス「Black Hat」でのインタビューの中で、「Obama氏の後に(大統領選に)挑戦した女性は使わなかった。結果はご存知の通りだ」と述べた。
Hillary Clinton氏が大統領の座を逃したのは、セキュリティにおいて重要なこの要素が欠けていたためかもしれない。ロシアのハッカーが公開した膨大な数の流出メールは、2016年の大統領選に重大な影響を及ぼし、それによる論争が一因となってClinton氏はDonald Trump現大統領に敗れた。
ハッカーらは、スピアフィッシングと呼ばれる手法を通じて、Clinton氏陣営内の幹部や民主党全国委員会(DNC)のアカウントへのアクセスを得た。スピアフィッシングでは、ハッカーは慎重に細工したメールやウェブサイトを利用して、標的がパスワードを明かすよう仕向ける。
そうなった場合にセキュリティキーは役に立つツールだ。なぜなら、ハッキングを仕掛けようとする者がアカウントにログインするには、パスワードとそうした物理的キー本体の両方が必要だからだ。Googleは、セキュリティキーを導入して以降、従業員の誰もアカウント乗っ取りの被害に遭っていないとアピールしている。
Ehrensvärd氏は次のように述べている。「失うものが多い人、リスクが大きい人、そういった人々が当社の製品を導入するようになっている。著名な人物、Twitter上で多くのフォロワーがいる人、あるいは数百万人のフォロワーがいるユーチューバーなどがそうだ」
政治家の候補者や選挙への攻撃は大きな懸念となっており、民主的プロセスの正当性をむしばむおそれがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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