Googleが、8万5000人以上いる従業員の中に2017年初め以来アカウントをハッキングされた者は誰もいないと明かしたが、それはすべて、同社がテストしていた初期バージョンのセキュリティキーのおかげだった。
そして今回、そのセキュリティキー「Titan Security Key」の最新バージョンを世界中の人が利用できるようになる。
セキュリティキーは、多要素認証(複数の方法によってログインの権限を持つユーザーであることを証明すること)を通じてセキュリティを強化してくれる。パスワードはオンラインで盗めるかもしれないが、ユーザーが持っている物理的なセキュリティキーを盗むのはもっと困難なことが多い。
Googleは以前からセキュリティキーを支持し、「Advanced Protection Program」の要件に加え、「最もフィッシングされにくい最強の認証要素」と宣伝していた。
同社のアイデンティティおよびセキュリティ担当製品マネージャーであるChristiaan Brand氏によると、Titan Security KeyはUSB版とBluetooth版があり、今後数カ月以内にGoogleのオンラインストアで発売されるという。
USB版とBluetooth版の両方をセットにしたものが50ドル(約5500円)だが、20~25ドル(約2200〜2770円)程度でどちらか一方を購入することもできるという。Titan Security Keyは、USBポートやBluetooth接続を備えたあらゆる機器で利用できる。
Titan Security Keyに搭載されているソフトウェアは、Googleのエンジニアによって開発され、2017年初めから社内でテストが行われてきた。Titan Security KeyはGoogleのセキュリティチップ「Titan」と同じ名前がついているが、Titanを採用しているわけではない。
フィッシングは、ハッカーがユーザーのパスワードを入手する最も一般的な方法の1つだ。ロシアのハッカーも、フィッシングによって米民主党全国委員会のネットワークに侵入した。洗練された攻撃で、標的にした人々を騙してパスワードを教えさせたのだ。だが、こうした攻撃を受けるのは政治家に限らない。
セキュリティキーで保護を強化できるのは、ハッカーがフィッシングによってパスワードを盗むのに成功しても、セキュリティキーを盗むことはできないからだ。セキュリティキーは、ユーザーがフィッシングサイトを訪問しようとしたときに、警告することもできる。
機能の面から言うと、GoogleのTitan Security Keyは、同社が過去に推奨していたYubiCoの「Yubikey」のような、すでに市販されている人気のセキュリティキーと同じ働きをしてくれるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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