Googleの親会社であるAlphabet傘下のDeepMindは、人工知能(AI)をヘルスケア分野に応用することの特効性に大きな重点を置いており、英国時間8月13日、AIを利用して眼疾患を診断する上での進歩を示す研究結果を発表した。
医学分野の学術誌「Nature Medicine」に掲載された研究報告によると、DeepMindは、ロンドンにあるムーアフィールド眼科病院と提携してアルゴリズムを訓練したところ、失明のおそれがある50件超の疾患を検出し、専門臨床医と同じ精度に達したという。このアルゴリズムはまた、患者にとって最適な治療方針を正確に提案できるほか、とりわけ緊急の治療が必要な患者に優先順位をつけることもできる。
DeepMindは、2年前に開始したプロジェクトで、数千件に上る完全に匿名化した目のスキャンの履歴を使用し、失明につながるおそれのある疾患を発見する機械学習のアルゴリズムを訓練した。今回の研究報告によると、このシステムは今や94%の精度で実行できるといい、いずれは世界中で目の検査方法を変革するのに使われることが目標だ。
目のスキャンから眼病を診断するのは、医師にとって複雑で時間のかかる作業だ。また、世界人口の高齢化は、眼疾患がより一般的になりつつあり、医療制度への負担が増していることを意味する。だからこそ、AIが投入される機会が生まれている。
DeepMindのAIはある特定の種類の眼科用スキャナを使用して訓練されているが、研究チームによると、このAIはどのモデルにも対応するという。つまりこのAIは、広範にハードウェアの制約なく応用できることに加え、将来に機器が置き換えられたり更新されたりしても使い続けられるということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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