ニューヨーク市議会は米国時間8月8日、市内で営業する配車サービスの車両台数を制限する条例案を可決した。配車車両の新規ライセンスの発行を1年間停止し、市議会はその間に、UberやLyftのような企業の台頭に伴う諸問題を緩和する方法を調査する。渋滞やドライバーの賃金に関連する問題が中心だ。
まだ市長の署名が必要だが、Bill de Blasio市長は近いうちに条例案に署名するとみられる。
今回の台数制限は、ニューヨーク市のタクシー業界から支持を得ていた。同市のタクシー業界では、賃金が低下しており、運転手らが長期雇用への懸念を表明していた。過去数カ月間に複数の運転手が自殺しており、タクシー業界への打撃が一因だと報じられている。だが、そうした賃金問題はタクシー運転手に限らない。The New York Timesの報道によれば、手取り賃金が低いため、ニューヨーク市で働く配車サービスの運転手の40%近くにメディケイド(米国の低所得者向け公的医療保険)の受給資格があり、18%にはフードスタンプの受給資格があるという。ニューヨーク市議会は8日、ドライバーの最低賃金に取り組む条例案も可決した。
配車サービス企業は不満げだ。Lyftの公共政策担当バイスプレジデントであるJoseph Okpaku氏は電子メールによる声明で、「交通に対してこのような見境のない制限を設けることで、ニューヨーク市民はタクシーに乗るのに苦労していた時代へと逆戻りするだろう。有色人種のコミュニティーや外側の区では特にそうだ」「当社は、ニューヨーク市民が全ての区で、信頼できる安価な交通手段に確実にアクセスできるようにする取り組みを決してやめない」と述べた。Uberはコメントの依頼にすぐには応じなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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