ドイツの化学会社BASFは、写真を解析して農作物の異常などを識別するスマートフォン用アプリ「xarvio SCOUTING」を無償提供している。スマートフォンで写真を撮影すれば、農作物が病気にかかっていないか確認したり、雑草や害虫の種類を調べたりできる。
スマートフォンにインストールしたSCOUTINGで作物などの写真を撮影すると、葉の形や色、昆虫の形などを解析し、作物の健康状態、栄養状態が識別される。雑草の種類、害虫の種類と生育密度なども調べられるので、被害を抑える対処方法の決定に役立つだろう。
識別できる病気は、小麦やアブラナ、大豆などが被害を受ける17種類。雑草は82種類の識別が可能。害虫はサルゾウムシ類、チビケシキスイ、ノミハムシなどを見分けられる。作物の栄養状態は、特に窒素の吸収量を葉の状態から推測する。
さらに、近隣のSCOUTINGユーザーから得たデータにもとづいて、周辺農場で発生している病気や害虫の情報を把握できる「RADAR」機能も備える。問題発生時にはアプリから通知されるので、早い段階で気付いて対応できる。
なお、xarvioはスマート農業ソリューション事業のブランド名であり、BASFが製薬会社のBayer(バイエル)から買収して取得したもの。Bayerは、遺伝子組換え作物で知られるMonsanto(モンサント)を吸収合併する際に、EUやその他規制当局からMonsanto買収の承認を得る目的で、xarvio事業などをBASFへ売却した。
SCOUTINGの紹介ビデオ(出典:BASF/YouTube)
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