Opera Softwareは米国時間7月27日、新規株式公開(IPO)で1億1500万ドル(約127億7000万円)を調達した。
Operaは、予想されていた10~12ドルの上限である1株当たり12ドルで、米国預託株式(ADS)960万株を売却した。同社の株価は、太平洋時間午前7時半頃に取り引き量が増え始めてから28%も上昇した後、本稿執筆時点(米国時間7月27日午前)で10%高の13.24ドルに落ち着いた。
米国預託株式は、外国企業が米国市場で株取引をするのに利用される。Opera Softwareはノルウェーで創設され、2016年に中国のコンソーシアムに買収されたが、本社はオスロに残されている。NASDAQでのティッカーシンボルは「OPRA」だ。
Opera Softwareが開発を手がける「Opera」は、市場でも息の長いブラウザの1つだ。ノルウェーの通信最大手Telenorにおける研究プロジェクトとして1994年に誕生し、1995年にスピンオフされた。もっと大手のライバルのような地位を確立したことはないが、市場で確固たる存在感を持ち続けている。
今回のIPOによってブラウザ市場に大きな変化が生じるということはないが、われわれの生活にとってきわめて重要な役割を果たしているブラウザ業界の透明性は高まる。ほとんどのブラウザは、GoogleやApple、Microsoftといった大手企業の事業として、あるいは、株式非公開企業によって開発されている。
Operaは、IPOと同時に、Bitcoin採掘用コンピュータメーカーのBitmainとしても知られるTospring Technologyや、IDG Capital Fund、IDG Capital Investorsから非公開の資金調達ラウンドで6000万ドル(約66億6100万円)を調達した。IPOを引き受けた金融会社には、新たに15%相当の株式(144万株)を公開するオプションが付与される。
「おおよそで最大1億9000万ドル(約211億円)になる」と最高財務責任者(CFO)のFrode Jacobsen氏は述べている。Operaはこの資金を買収、新しいニュースサービスやアプリの拡張に利用していくと、同氏は述べた。
2017年、Operaの売上高は1億2890万ドル、純利益は610万ドルでいずれも前年を上回った。2016年の売上高は1億730万ドル、純損失は1270万ドルだった。2018年最初の3カ月は、売上高が3940万ドル、純利益が660万ドルとなった。Operaは、GoogleやYandexなどの検索エンジンとの提携によって収入を得ている。
Jacobsen氏によると、ニュース関連のアプリとサービスのおかげで、Opera Softwareの財務状況はこのところ好転しているという。ニュースアプリの平均利用時間は1日32分だ。特にアフリカやアジアで顕著だ。
Jacobsen氏は、「これから面白くなりそうな地域は、アラビア語圏の北アフリカや中東だ」と語った。Operaの従業員400人のうち約100人は、中国に拠点を置くニュースサービスに従事している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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