テンセント・ホールディングス・リミテッドは7月19日、同社のコミュニケーション・アプリ「WeChat」のモバイル決済サービス「WeChat Pay」が、富士急ハイランドの全エリアに導入されたと発表した。富士急ハイランドは、中国国外で初の「WeChat Payスマート旗艦遊園地」になるという。
WeChatは、世界で10億4000万のアクティブユーザーを持つコミュニケーションアプリ。そのサービスのひとつであるWeChat Payには、8億人以上のユーザーがおり、現在40を超える国や地域の事業主と、中国人観光客をつなぐ架け橋となっているという。日本でも、中国人観光客へのマーケティング活動強化に直結するため、すでにドン・キホーテや新千歳空港でも導入されている。
また、日本は中国人にとって人気の海外旅行先であり、日本政府観光局(JNTO)の2018 年1月16日発表のデータによると、2017年の訪日中国人観光客は前年比15.4%増の延べ735万5800人に達し、3年連続で訪日外国人観光客ランキング1位を占めているという。
その中でも、富士急ハイランドは、多くの世界記録を達成したアトラクションを備え、中国人観光客にも長年人気の観光地となっている。中国人観光客の急増に伴い、その顧客体験において、言葉の問題や支払い習慣の違いなどが課題となってたことから、今回の導入を決定。言語や支払い手段の障害をなくすことで中国人観光客の顧客体験を向上すると同時に、中国人観光客に魅力的なマーケティング情報を的確に伝えることで、園内の運営の効率化や収益の増加を図る。
今回の取り組みによって、富士急ハイランドではチケットやお土産物の購入から飲食に至るまで、園内全体でWeChat Payが利用可能。今後導入が検討される最短30秒で商品の購入が可能なWeChat Pay専用無人レジの体験コーナーも設置されるという。
さらに、富士急ハイランド専用アプリWeChat「Mini Program」を開設。中国人観光客は、アプリ内でeチケット購入やアトラクション待ち時間の確認が可能になるほか、将来的には、パーク内のハンディ・ツアーガイド、カスタマイズされた情報発信などのスマートサービスの展開を予定している。
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