Stripeは7月10日、AlipayとWeChat Payとグローバルパートナーシップを締結した。これにより、Stripeを導入するショップは中国で普及している電子決済を簡単に導入できるようになる。
一定の基準を満たしている企業であれば、追加の開発や審査承認プロセスなしに、ダッシュボードからAlipayとWeChat Payを有効化することができる。さらに、Alipayのワンタイム決済と定期決済に対応。SaaSやサブスクリプションサービスの決済手段としてAlipayを利用することができる。手数料は売上に応じて変動するが、最大で3.6%となる。
また、両決済プラットフォームのサポートに加え、香港での正式ローンチを開始した。これにより、香港ローカルの企業だけでなく香港に支社を持つ日本企業もStripeを利用することができる。
中国では、カード決済の普及が遅れる一方、デジタルウォレットでの決済が定着しつつある。ストライプジャパン代表取締役のダニエル・ヘフェルナン氏は「インターネットのGDPを増やすには、7億人のインターネット人口を抱える中国へのリーチが必要。中国の消費者が使い慣れている決済方法に対応することで、ECの売買も増える」と指摘する。
Stripeは、2011年に米国でローンチしたオンライン決済プラットフォーム。数行のコードを追記するだけで、画面遷移なしにオンライン決済に対応させることができ、多通貨決済もできるのが特徴だ。すでにKickstarterやLyft、Slack、Instacartなどが導入しており、ひと月あたりの取引額は数百億ドルにおよぶ。
PayPalのように表側に登場するサービスではないが、米国人の50%は知らないうちにStripeに触れている。また、これまでに45億ドルを調達。出資者には、ピーター・ティールやイーロン・マスクなど、PayPalのファウンダーも名を連ねており、時価総額は2016年末で1兆円を超えた。
パートナー企業は、AppleやGoogle、Salesforce、Pinterest、Facebook、Twitter、SAPといったIT企業以外にも、アメリカン・エキスプレス、VISA、Master Card、三井住友カードが名を連ねる。日本での導入企業は、全日本空輸、カドカワ、IIJ、KDDI、トレジャーデータ、ウォンテッドリー、ソラコム、マネーツリー、TOKYO OTAKU MODEなどで採用されている。既存の決済システムと併用できるほか、導入の手軽さから新規事業での決済に強みを持つという。
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