Appleは、2018年版の「MacBook Pro」には新しい第3世代の「バタフライスイッチ」キーボードが搭載されるが、「押したキーがスムーズに跳ね返ってこない」などの問題を防ぐための新たな工夫や微調整は加えていないと、米CNETに明言していた。この問題は複数の訴訟に発展し、この数カ月間の間にAppleの無償修理プログラムが開始されていた。
しかし、デバイスの修理と分解を扱うウェブサイトの iFixitは、Appleが実際にはこの問題にひそかに対処していることを示す証拠を入手している。新型MacBook Proのキーボードは、新たにシリコンの薄膜で覆われており、繊細な機械部品を粉塵から保護することを意図して設計されているらしいという。「Ingress Protection for Keyboards」(キーボード用の異物侵入保護)という特許取得済みのAppleのデザインにそっくりだ。
(Ingress Protectionとは、「粉塵や水分の侵入を防ぐ」ことを意味する業界用語。「iPhone 8」はIP67であるといえば、それが一定量の粉塵と水分に対する保護性能を持つことを意味する)
Appleは、正式にはキーボードが静音になったとしか述べていないが、iFixitは、その表現が事実を覆い隠すために使われていると考えている。複数の意味で何かが覆われている。キーは文字通り、シリコンの薄膜に覆われているのだから。
一部の評論家が指摘しているように、AppleがMacBook Proのキーボードを修正したことを認める可能性は低い。MacBook Proにそもそも問題があったことを認めることになるからだ。それはAppleのやり方ではなく、同社が訴訟に直面していることを考えると、特に危険だ。
しかし、だからといってAppleは、米CNETなどの報道機関にキーボードは修正していないとわざわざ伝える必要があったのだろうか。もしかしたら同社は、問題が実際に解決したのかどうか確信がなく、両面作戦に出たのかもしれない。
Appleはコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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