Sirin Labsは、超強力なセキュリティを備えた超高額(1万4800ドル、約166万円相当)の「Solarin」スマートフォンを2年前に発売した企業だ。同社は今回、次期製品の設計と仕様を完成させた。「FINNEY」は外観こそSolarinによく似ているが、価格は約15分の1(999ドル、約11万円)で、スライドアウト式のセカンドタッチスクリーンを備える。このスクリーンには、内蔵のコールド・ストレージ・クリプト・ウォレットを表示させることができる。FINNEYは「初のブロックチェーンスマートフォン」だとSirin Labsは主張しているが、その根拠となっているのは、この内蔵のコールド・ストレージ・クリプト・ウォレットと、「Sirin OS」(セキュリティが強化された「Android 8.1」のフォーク)によって提供される追加機能だ。
Sirin Labsの最高マーケティング責任者(CMO)のNimrod May氏は米ZDNetに対して、「暗号通貨の一般市場への普及を妨げているものは何か、とわれわれは考えてきた。そして、2つの大きな問題に気づいた。1つはセキュリティに関する問題だ。歴史上初めて、ユーザーは自分で自分の資産を管理する必要がある。銀行のような中央組織に頼ることはできない。ブロックチェーンに関するもう1つの大きな問題は、ユーザー体験だ。われわれ(暗号通貨に熱中している人々)は何らかの方法で暗号通貨を手に入れることができる。暗号通貨をどこで取引するのかも知っているし、それを支えるテクノロジも理解している。しかし、こうしたことについて、平均的なユーザーは今でも複雑だと考えている」と述べた。
FINNEYの2インチの「Safe Screen」を引き出すと起動するコールドストレージウォレットに加えて、Sirin OSは多層型のサイバー保護スイートも提供する。このスイートには、行動ベースの不正侵入防御システム(IPS)、セキュリティで保護されたコミュニケーション(音声、テキスト、電子メール)、多要素認証が含まれる。FINNEYは11月に発売予定で、そのときに利用できるほかの重要な機能には、トークン変換サービス(TCS)、通常の「Google Play」ストアと共に提供される独自のDapp (分散型アプリケーション)ストアなどがある。
May氏は、「TCSのおかげで、分散型アプリケーションの使用時に、ユーザーがさまざまな取引所からさまざまなコインを入手する必要がなくなる。それは非常にシームレスな体験になるだろう。1つのアプリケーションから別のアプリケーションに移動するたびに異なるトークンが必要になっても、これらのトークンをさまざまな取引所から入手する面倒な作業をユーザーは望まない」と話す。Sirin Labsのワンストップショップ型TCSにより、現在ウォレットに含まれていないコインを使って何かを購入する際に必要な送金と取引の全てがリアルタイムで実行される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」