米マサチューセッツ工科大学(MIT)は米国時間7月5日、四足歩行ロボット「Cheetah 3」が脚を曲げたりランニングマシンで走ったりしている動画を公開した。一連の動作の中には、同じ位置でジャンプする動きも含まれる。それだけなら可愛らしく聞こえるが、このロボットはさらに、屋外を自由に走ったり、障害物だらけの階段を見事に駆け上がったり、邪魔者(この場合は「研究者」)に抵抗したりすることもできてしまう。
MITのチームはCheetah 3を引き寄せたり、木材を使って小突き回したりして、悪条件にどう反応するかを見ている。最後に、このロボットは地上から机の上に飛び乗った。これらすべてを、カメラではなく「感覚」を使って行っている。
Cheetah 3は周囲を観察するためにカメラを使うが、MITのチームはまず、視覚に頼らずにうまく動けるようにしたいと考えた。
今回の動画では、Cheetah 3のハードウェアにおける改善と「blind locomotion」(視覚に頼らない運動)の能力が十分に発揮されている。blind locomotionは、一連の新しいアルゴリズムを利用して、接触を検知し、それに応じて動きを調整し、一歩ごとに使う力の量を決定する。この能力は、Cheetah 3が蹴られたり押されたリするなど、予想外の力が加えられたときに対応するのにも役立つ。
Cheetah 3の設計者であるSangbae Kim氏は次のように述べている。「視覚は不要な情報が多く、やや不正確で、時には使えないこともあり、視覚に頼りすぎるロボットは位置関係を非常に正確に把握しなければならず、結果として動きが遅くなる。そのためわれわれは、ロボットにもっと触覚情報を活用させたいと考えている。そうすれば、素早く動きながら予想外の障害に対処できるからだ」
Kim氏はCheetah 3が、発電所における検査などの「危険で困難な汚れ仕事」に役立つと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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