今回の家宅捜索で押収されたのは銀行口座の取引明細、Zwiebelfreundeが2011年の立ち上げ以来、あえて紙の領収書に記録していた寄付をした人たちの情報、そして、Torや、プライバシー重視のオペレーティングシステム「Tails」といったパートナープロジェクトで活動している人たちの身元情報などだ。
Tailsプロジェクトでは参加メンバーの身元保護に細心の注意を払っているため、Zwiebelfreundeは情報を電子文書化していなかった。しかし、税務当局からの強い要請で、プロジェクトからの支払いを受けた人については、紙の領収書に加えて氏名とパスポート番号を保存していた。
こうした記録が外に出たことで、同プロジェクトに関わっていた人の身元が割れるおそれがあるとBartl氏は語った。
理事たちは7月4日付けで、どのようなデータが押収されたのかを説明する声明を発表した。
Bartl氏は、自宅を捜索した警察官とのやり取りから、ZwiebelfreundeがRiseupのインフラや問題となったブログとは何の関係もないことを警察は知っていたと考えている。Bartl氏によると、米シアトルを拠点とするRiseupに対しては、ドイツ警察は情報提供の要請をしておらず、機器類を押収するような働きかけもないという。
Bartl氏によると、押収された電子記憶装置が暗号化されていたこと、また、警察がスマートカードをクラッキングできる可能性は極めて低いことから、Torのインフラは今回の捜索の影響を受けないとのことだ。
Zwiebelfreundeの登録先住所になっていた法律事務所も今回の一件で家宅捜索を受けた。この法律事務所からBartl氏の弁護士に対して、評判に傷がついたため新たに提携先の事務所を見つけてそこに住所を変更して欲しいとの連絡があったという。
Bartl氏によると、警察はアウクスブルクにあるハッカースペースOpenLabでホワイトボードに書かれていた内容を誤解し、その場にいたBartl氏を含む3名の人物を暗殺を計画した疑いで逮捕したという。警察は3名の所持品を検査し、デバイスを押収し、OpenLabを捜索する間、3名の身柄を拘束した。
3名はその後、罪状なしで釈放された。
Bartl氏は、警察は元々の令状の範囲をはるかに超えて電子装置や文書類を押収したと主張している。
家宅捜索後、Bartl氏は仕事を休むことを余儀なくされた。
Zwiebelfreundeと理事メンバーのKubieziel氏、Vetra氏、Bartl氏は、家宅捜索の際に警察に越権行為があったとして訴訟を起こす予定であり、押収された装置の返還も求めていくという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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