一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、下肢麻痺者の補装具に関するアイデアコンテスト「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」で、ITを活用したアイデアを募集中だ。2017年11月からグローバルでスタートしており、まもなく8月15日に募集を締め切る。
賞金総額は400万ドル(約4億円)、2019年1月にファイナリストを発表の後、プロトタイプ製作期間を置いて2020年夏に東京にて優勝者を発表する予定だ。
応募資格条件は、「提案の具現化が可能な技術を持つ成人から構成され、裨益者とともにプロトタイプを作り上げられるチーム」としている。居住地や国籍に制限はない。
審査基準は(1)イノベーション、(2)インサイト・インパクト、(3)機能性・利便性、(4)信頼性・安全性、(5)商品展開の可能性・手の届く価格設定──となっている。技術審査は、ピッツバーグ大学 人間工学研究所が担当する。
なぜ下肢麻痺者の補装具がテーマなのか。WHO(世界保健機関)の推定によれば、脳卒中、脊髄損傷、多発的硬化症等により、下肢麻痺者は世界中で毎年25~50万人程度増加しているという。
しかしながら、補装具の市場規模が必ずしも大きくないことや、商品化に必要な許認可の取得が容易でないことなどが新規参入の妨げとなり、日常の暮らしやすさに関する技術革新やイノベーションが起こり難い状況にあるという。
そうしたことを背景に、今までにない形状の補装具や、人工知能やコンピューターが自ら学習する機能の搭載、クラウドコンピューティングの活用、革新的なバッテリが搭載された補装具など、インテリジェントなシステムを組み込んだパーソナルモビリティデバイスの開発を支援したい考えだ。
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