ITの力で下肢麻痺者に革新的な補装具を--トヨタ・モビリティ基金、アイデアコンテスト - (page 2)

多様化する個人のニーズ--TMFが求めるもの

 TMF プログラム企画グループ プログラム・ゼネラル・マネージャーの武谷由紀氏は、「クールなものではなく日常的に使える補装具を目指している」と説明する。

 また、障がい者が便利に使えるという点も大事だが、障がい者が持っている能力を、いかに維持するかということも大事にしているという。

スマート補装具のイメージ
スマート補装具のイメージ

 「車いすに乗ることで、体の衰えを気にする人も増えている。階段が上れる車いすなど、性能やデザインは向上してすばらしいものもできている。しかし、多様化する個人のニーズに合わせた装備がなかなかない。たとえば、体調がいいときにはアシスト不要だが、良くないときには最適なルートを通ってくれる車いす。下肢麻痺者が外に出にくい理由の一つはトイレ。アクセシブルなトイレがあるかを補装具が情報提供してくれる──そういったものも含めて新しいアイデアを募集したい」(武谷氏)と語った。

TMF プログラム企画グループ プログラム・ゼネラル・マネージャーの武谷由紀氏
TMF プログラム企画グループ プログラム・ゼネラル・マネージャーの武谷由紀氏

 TMFが行った世界5カ国(英国、米国、日本、インド、ブラジル)の車椅子利用者が直面する「日常生活における不便」に関するアンケートによれば、車椅子利用者の89%が身体的な不快感や痛みを経験し、49%が目的地への移動に支援を必要としているという。

 公共交通機関の利用を拒否された経験があると回答した利用者は23%に上り、下肢麻痺者を始めとする車椅子利用者にとって、より革新的なモビリティデバイスや新技術が必要であることが必要だとしている。

期待する成果
期待する成果

 なお、ピンタレストでデザイン責任者を務めるオーガスト・デ・ロス・レイエス氏もアンバサダーの一人。

 モビリティ・アンリミテッド・チャレンジの目的について、「モビリティに新しい考え方をもたらすこと。デバイス、ソフトウェアのソリューション、あるいはモビリティが自由でない人々にも、違いをもたらす力を与えてくれるようなものなら、形式は構わない。モビリティ・アンリミテッド・チャレンジが、世界中の個人、少人数のグループ、小規模な企業、エンジニア、デザイナー、テクノロジの専門家のアイデアを集めて、素晴らしい解決方法を見いだすことに貢献すると信じている」とコメントしている。

モビリティ・アンリミテッド・チャレンジのアンバサダー
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審査員
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