卵を割らずしてオムレツは作れないという格言がある。どうやら、多くの潜在的な敵を作らずして米国で電気自動車メーカーを経営することはできないらしい。少なくとも、Teslaの最高経営責任者(CEO)を務めるElon Musk氏の場合はそうであるようだ。CNBCが入手した、同氏が深夜に全従業員宛てに送信した電子メールが、それをうかがわせている。
この電子メールは、カリフォルニア州フリーモントにあるTeslaの工場で最近発生した火災に関する内部調査の後に送信された。その内容は、ある従業員が妨害工作によって被害を及ぼしたとして、従業員らに警告するものとなっている。妨害工作をした従業員は、偽のユーザー名を使ってTesla独自の製造オペレーティングシステムのコードを書き換え、大量の機密データを未知の組織に送信したという。
こうした出来事はどのような会社にとっても困った問題であり、どのようなCEOであれ似たような状況に置かれたらあれこれ思いをめぐらせるのも確かだろう。しかし、誰もやらないことをやるMusk氏らしく、妨害者の本当の黒幕が誰なのかについて、従業員宛の電子メールで大胆な推測を発することに決めたようだ。ただし、その内容は率直に言って、同氏が少しばかり被害妄想気味なのではないかと思わせるものだった。
Musk氏は、黒幕かもしれない組織として、ウォール街の相場師、石油・ガス会社、さらに従来型の自動車を製造する企業を挙げ、「排出についてあれほど不正をすることをいとわないのなら、ほかのやり方で不正をすることもいとわないのではないか?」と書いている。
Musk氏は妨害した人物が明らかにした動機について、「彼は昇進を望んだがかなわなかった。これらの行動に照らすと、彼を昇進させなかったことは間違いなく正しい処遇だった」としている。
今回の情報リークがTeslaに実害を及ぼすのかどうか、今後の動向が注目される。
Teslaの広報担当者はこの件に関するコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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