"ピザ注文"だけじゃない本当に実用的な音声アシスタントの使い道 - (page 2)

Brent Leary (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2018年06月18日 07時30分

 アルバカーキ市のFAQに対応するAlexaスキルは、5月に試験的に提供が開始された。2018年中に、より大規模な公開が予定されている。目標は2年以内に電話による問い合わせを15%削減することだ。しかし今後、Alexaとの対話が増えた場合に規模拡大に伴う懸念もある。だが、Amazon Web Services(AWS)の実績に基づいて考えると、長期的にはそれほど大きな問題にはならない可能性が高いという。音声アシスタントの使用は今後、セルフサービスの機能を拡張する実用的な手段となり、時間と共に一般の人々に受け入れられていくのではないだろうか。

高齢者コミュニティー

 現在、母親が自立型高齢者居住コミュニティーで暮らしている筆者にとって、これは身近な問題である。筆者は「Amazon Echo Show」を使って、毎日のように母親と話している。しかし、これらのデバイスが高齢者コミュニティーで支持を得ている理由は、それだけではない。Touchtownは高齢居住者のエンゲージメントを専門に扱う企業で、1200以上の老人ホームや高齢者居住コミュニティーがそのソリューションを利用し、コンピュータやタブレット、スマートフォンを通して居住者の健康状態や体験の改善を目指すサービスを提供している。Touchtownは現在、AlexaとEchoデバイスを使って、重要な情報を簡単に確認できる機能を居住者に提供している。例えば、以下のような情報を確認できる。

  • 「明日はどんなアクティビティがあるのか」
  • 「今日の昼食は何か」
  • 「何か新しいお知らせはあるのか」

 Touchtownの顧客であるNorth Florida Retirement Villageは先頃、数人の居住者に対してAlexa導入のベータテストを実施し、薬の服用を忘れないようにするためのリマインダ機能が即座に効果を発揮したことを確認した。また、運動能力が低下している高齢者にとっては、音声命令を使う方が楽であることも分かった。実際に、このベータテストに対する当初の反応が好ましいものだったため、North Florida Retirement Villageは現在、将来の居住者向けにスマートアパートメントを建設中だという。このアパートでは、高齢者が自分の声で照明や扇風機、テレビなどのデバイスを操作することができる。

「Erica」、今の口座残高を教えて

 AlexaとGoogleアシスタントのほかにも音声アシスタントは存在する(「Siri」のことを言っているのではない)。この2つの音声アシスタントはユーザーに代わって多くのことを実行できるが、ユーザーのBank of America(BofA)の銀行口座にアクセスすることは今のところできない。だが、「Erica」ならそれが可能だ。Ericaは、BofAの顧客がスマートフォンを使って自分の個人銀行口座を管理できるように設計された財務AIアシスタントである。アプリをタップしてEricaを起動した後、ユーザーはEricaに対して、例えば、デビットカードを紛失したり盗まれたりした場合などにロックの解除を頼んだり、口座間での資金の移動や過去の取引を調べるといったことを頼んだりできる。さらに、支店の担当者との面会を予約したり、支払いの予定を管理できるほか、送金サービスの「Zelle」経由でほかのユーザーに送金することも可能だ。Amazonの過去5件の購入履歴を確認することもできる。

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