Palmer Luckey氏は、Oculus VRを共同で創設した天才肌の人物だ。その後同氏は、Oculus VRをFacebookに売却して、仮想現実(VR)製品に再び取り組んだが、Facebookを去らざるを得なくなった。そのLuckey氏が今、Anduril Industriesという新興企業を創設し、新しいプロジェクトに取り組んでいる。同氏の狙いは、消費者向けの安価なカメラ、センサー、レーザーを使った製品を開発して、Andurilを優れた軍需企業にすることだ。
Luckey氏がFacebook退職後に初めて取り組んでいるプロジェクトが、仮想国境警備技術だという話を耳にした人がいるかもしれない。このシステムは、米政府の国境警備担当者がVRヘッドセットを身につけるだけで、裸眼では確認できない不法移民や侵入者を見つけ出せるというものだ。
WIREDが米国時間6月11日に公開した記事によれば、Luckey氏の会社がこうした製品を手がけているという話は事実だという。ただし、開発はまだ始まったばかりのようだ。Andurilでは、センサーの分散ネットワークを利用して、さらに高性能でコスト効率の高いテクノロジ製品を数多く開発したい考えだという。この中には、サイエンス系の人気番組『Mythbusters』で人気を博したJamie Hyneman氏が開発した自律走行型の消火ロボットも含まれる。
この消防ロボットプロジェクトは「Sentry」と呼ばれており、ワインの産地に壊滅的被害を与えた2017年のカリフォルニア森林火災のような状況で、消火活動を可能にすることを目指している。
WIREDの記事を執筆したSteven Levy氏はAndurilのVRシミュレーターを実際に試したようだが、Luckey氏は米CNETの取材に対し、自律走行するか人間がVRを利用して遠隔操作できるようにすることが消火ロボットの最終的な目標だと語った。また、センサーから得られた映像が、消防士のスマートフォンや拡張現実(AR)ヘッドセットに送られるため、消防士はその場所の状況を、1人称視点、3人称視点、または俯瞰的な視点で眺められるという。
さらにLuckey氏は米CNETに対し、WIREDの記事で取り上げられたもう1つの製品について語った。「Call of Duty」ゴーグルと呼ばれるこのシステムは、シースルー型のARヘッドセットを使って、兵士が状況をより詳しく把握できるようにするというものだ。Luckey氏によれば、WIREDの記事に書かれているよりも、さらに細かく状況を把握できるようになるかもしれないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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