サンフランシスコでスクーターをめぐる消耗戦が始まっている。
サンフランシスコ市交通局(SFMTA)によると、市内の道路で乗り捨て可能な電動キックスクーターのレンタル事業を運営できる許可をめぐり、わずか5社分の枠を手に入れようとUberやLyftなど12社が争っているという。
サンフランシスコ市当局は4月、市内を走るスクーターの台数を制限する法案を可決した。今後1年間、市内全域にスクーターを配備する許可を得られるのは5社だけだ。スクーターの台数も、最初の半年間は1250台に制限される。それでうまくいけば、上限が2500台に引き上げられる。
スクーターはベイエリアで対立を生む話題になっている。3月にBird、LimeBike、Spinの3社が議会や住民に事前の通告なくサンフランシスコで電動スクーターサービスを開始したのが騒動の発端となった。その直後から、数百台のスクーターが歩道に溢れかえった。
一部の地元住民は、混雑した都市で簡単にスクーターで移動できることを喜んだ。スクーター利用者が道路法に従わず、歩道を走って好きな場所に乗り捨て、駐車場や駐輪ラック、車いすの利用を妨げて、歩行者を危険にさらしていることに不満な住民もいた。
サンフランシスコ市が認可の手続きを進めているあいだ、どの企業も市内の道路でスクーターを走らせることは許されない。この規則に従わない企業は、許可を得るチャンスを失うことになる。許可証を発行するSFMTAは、許可について最終決定するのに6月末までかかる見込みだと述べている。
SFMTAの広報担当者Paul Rose氏は電子メールで、「新たな許可と試験運用は、市民の安全を最優先し、公平で説明責任を重視するものだ」と述べた。
企業が許可を得るには、ヘルメットの着用や歩道の走行禁止のほか、スクーターを安全に駐車するためのベストプラクティスについても利用者を教育することを明確に示す必要がある。各社はまた、保険に加入し、利用者の情報を保護するプライバシーポリシーを整備しなければならない。さらに、走行データを市当局と共有し、すべての近隣住民が利用できるようにして、低所得の利用者向けプランを提供する必要がある。
Uber、Lyft、Bird、LimeBike、Spin、Scoot、Razor、Ofo、Ridecellはいずれも許可を申請したことを認めた。申請期限は6月7日だった。残りの3社(CycleHop、Uscooter、Skip)はコメントを控えた。
許可を申請している12社のうち、7社(Bird、LimeBike、Spin、Uscooter、Skip、Ofo、Razorは電動スクーターの開発や運用で知られている。
Uberは、乗り捨て可能な自転車をレンタルする傘下企業JUMPを通じて、サンフランシスコ市にスクーターの許可を申請した。Uberは、完全な交通プラットフォームになるという新たな目的の一環として、電動スクーターの提供を計画しているという。
Uberの最高経営責任者(CEO)を務めるDara Khosrowshahi氏は5月末に開催されたRecode主催の「Code Conference」で次のように語っていた。「自転車か、おそらくはスクーターだろう。バスのネットワークを取り入れたい。BART(高速鉄道)やメトロなどをUberに盛り込みたい。そうすれば、どんな方法でもA地点からB地点に移動できる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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