制御機器事業に関しては、「モノ作りを担う製造業すべてが顧客。20万社以上と取引している。モノ作りの現場では、3つの社会的課題がある。(1)熟練工の不足、(2)人件費の高騰、(3)スマホなどに代表される、製品加工の高度化。これらの課題に対し、AI、IoT、ロボディクスに代表される技術革新が進んでいる。その二つの軸で生産現場を革新し、新しい価値をもたらしたい」と説明した。
オムロンが挑戦するモノ作りを革新する実現のコンセプトは“i-Automation”だ。制御進化(integrated)、知能化(intelligent)、人と機会の新しい協調(interctive)+客となる企業持っている技術や価値、オムロンが持っている技術などと掛け合わせ、現場で革新・共創していく。
オムロンは、2017年7月にIoTサービス基盤「i-BELT」を発表。製造現場におけるデータ収集と改善支援などを手がけている。7月よりサービスを本格展開し、設備の異常予兆を監視できるデータ活用サービスなどをスタートする。
オムロンは、5月に人間と作業するアーム型の“協調ロボット”を持つ台湾のテックマン・ロボットと戦略的提携を締結したと発表した。ロボット関連では、2015年に米国産業用ロボットメーカーのアデプト テクノロジーを買収している。
このほかにも2017年に産業用カメラメーカーとして知られるセンテック(神奈川)、産業用バーコードリーダーメーカーの米マイクロスキャン システムズを買収するなど、M&Aにも力を入れており、「ピースはかなりそろってきた。制御進化に欠かせないピースを埋められた。オムロンしかできないソリューションを実現できる企業になった」(オムロン 執行役員 副社長、インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 社長の宮永裕氏)と自信を見せる。
現在、日本の刈谷市、米国など現在17拠点ある「オートメーションセンター&PoCラボ」をさらに拡大し、2018年度はグローバル35拠点にする方針だ。
米国西海岸に次世代ロボティクスの研究開発拠点として「オムロン リサーチセンターオブアメリカ」を3月に設立しているほか、国内でも4月に近未来をデザインする研究所「オムロン サイニックエックス」を東京に開設した。
また、新たに中国政府が主導する産業高度化に向けた長期計画「中国製造2025」を見据え、現在工場を持つ上海に「オムロン上海第2工場」を増設。7月より稼働すると発表した。光電センサや近接センサなどのFA用制御機器を増産する体制を整える。「生産規模はほぼ倍増」(宮永氏)という。
山田氏は、「社会的課題に対してタイムリーにソリューションを提供するため、自ら変化を創造し、必要となる技術を創造したい。最優先するのは、FAとヘルスケアの領域。VG2.0の目標のうち、収益力は当初計画したレベルにすでに達している。さらに収益力を維持・強化していく中で、制御機器事業、ヘルスケア事業を中心に売上げ成長を実現し、2020年度の目標となる売上高1兆円、営業利益1000億円を実現したい」と語った。
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