カナダのトロントで2012年から展開しているDaimlerのカーシェアリングサービス「car2go」が、5月末をもってトロントでの営業を終了する。
car2goは、トロント拠点のサービスを5月末で停止する。理由は、トロント市の新しいカーシェアリング試験プログラムによって同サービスが「運営不能」になるためだと、car2goは説明している。car2goのトロント地区の会員は約8万人。会員は「smart fortwo」や「Mercedes-Benz」の一部モデルなど、Daimlerの複数の車両を利用できる。
トロント市によるフリーフロート型カーシェアリングの新しい試験プログラムによって、住民が共有車両を乗り捨てられる場所が制限され、約1万台分の駐車スポットがカーシェアリング目的に使えなくなる。また、カーシェアリング事業者は、許可料として車両1台につき1500カナダドル(約12万6000円)を支払うことが必要になる。
さらに、この試験プログラムではカーシェアリング事業者1社の提供できる車両が500台に制限される(car2goは350台を提供)。住宅地の駐車エリアへの駐車は引き続き可能だが、95%以上が予約で埋まっているエリアへの駐車は許可されない。car2goや同様のサービスには、カーシェアリングの車両によって住民が自宅近くに駐車できなくなるという批判が寄せられている。
car2goが2012年にトロントでサービスを開始した当初、車両の受け渡しと返却の場所は市営の駐車場「Green P」に限定されていたが、その後、住宅地を含む一般の路上駐車場でも可能になっていた。
他のカーシェアリングサービスは営業を継続し、car2goもトロント以外の地域ではサービスを続ける。car2goがトロント事業閉鎖の可能性を最初に示唆したのは2月のことで、car2goと同市はカーシェアリング規制の妥協点を探るやり取りを続けていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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