スマートロック「NinjaLock」を展開するライナフは5月18日、シェアオフィス向けのクラウドサービス「スマートブッキング」を発表した。NTT都市開発が運営するシェアオフィス「LIFORK 大手町」 (東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエア ウエストタワー1・2階)に先行導入し、入退室から決済管理まで、シェアオフィス管理に必要な機能をワンパッケージで提供している。
スマートブッキングは、シェアオフィスやコワーキングスペース、サロンスクールなどの運用や管理に必要な機能を兼ね備えた会員組織向けのクラウドサービス。エントランスや各ワーキングスペースの鍵が、NinjaLockを連動することで、スマートフォンや会員カードで解錠できるほか、会議室予約や決済まで、シェアオフィスにまつわる管理を一気通貫で請け負う。
LIFORK 大手町は、1階をワークラウンジ、2階を1カ月単位で利用できるオフィスフロアとして提供しているシェアオフィス。80席のワークスペースと5つのオフィス、4つのミーティングスペースのほか、バイクポート、シャワールーム、イベントスペースなどを設ける。4月のオープン時に基幹システムとしてスマートブッキングを導入。常駐スタッフによる鍵の受け渡しをなくしたほか、深夜帯における無人化運営により、効率化を図る。
NinjaLockは、エントランスの自動ドアと全会議室に設置。予約時刻になると発行されるバーチャルキーを用いることで、利用者の会議室使用が可能になる仕組み。スマートフォンやPCから予約、会議室の自動開閉、決済までができる。
「エントランスと会議室の両方をスマートロックで解錠できることがNinjaLockを採用した理由。導入にあたっては国内のスマートロックを手掛ける会社数社にあたったが、エントランスと個室の両方をスマートロックで解錠でき、さらに会議室予約や入退室管理、顧客管理までできるサービスはほかになかった」とNTT都市開発ITイノベーション部システム担当担当課長代理経営企画部LIFORK担当の榊原康寿氏は導入の背景を話す。
LIFORK 大手町のワークラウンジは7時30分から21時までの営業だが、オフィススペースは24時間無休で稼働している。通常のシェアオフィスでは、鍵の受け渡しのために夜間でもスタッフを常駐しておく必要があるが、NinjaLockの導入により、無人での営業を実現。鍵が開けられないなどトラブルがあった場合は、ライナフのサポート部門が遠隔で鍵の開け閉めを行う。
「スマートキーを導入する最大の理由はサムターン錠による紛失のリスクを避けること。サムターン錠を紛失すると、鍵とサムターンの両方を交換しなければならず、コスト負担が大きい」(榊原氏)と、リスク回避よるコスト削減にも重点を置く。
LIFORK 大手町は、ラウンジメンバー月額3万円、オフィスメンバー月額38万4000円~(いずれも別途入会金が必要)の価格で利用できるほか、1日3500円で利用できる「ドロップイン」制度を用意。ライナフは、一室ごとに月額使用料を設けることで、収益を得る。
スマートブッキングは、今回の先行導入を経て、シェアオフィスなどへの導入を予定。ライナフゼネラルマネージャーの矢嶋恵亮氏は「スマートブッキングのような施設の予約から鍵の解錠、運用管理などは、マンションなどの共有施設にも展開できると考えている」と今後の展開を見据える。スマートブッキングは初年度約100社への導入を目指す。
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