斎藤氏は「愚直な観察を繰り返してきたおかげで、生保で74%、教育で66%のシェアを確保しどちらもナンバーワンになった。使う人の困りごとだけでなく、気持ちや立場も理解し、人の行動をより自由に、より個人らしく振る舞える。人に寄り添うということは、そういうことを指す」とアピールした。
1月に発表したAIアシスタントの「ふくまろ」は、すでにたくさんのユーザーに利用され好評だという。AIエンジンを搭載しているものの、現在はお手伝い程度の機能にとどまるが、今後は個人の感情を読み取って、その状態に合わせたアドバイスができるように成長させたいとしている。
また、エッジコンピューティングの製品として、Edge AI Platform「Infini-Brain」を初公開した。より人に寄り添うにはどうしたらいいのか、という発想から生まれたという立方体の形をした筐体は、ワークステーション10台分の性能があるという。まだ、発売時期などは未定だが、3年後までには形にしたいとしている。
実際に動作させるデモも行った。映像から人物をリアルタイムで検出し、検出した人ごとにAIで動きや顔の表情を推定している。人に寄り添うためには、複数の異なるAIを同時に、しかも低消費電力で実行することが重要になる。「Infini-Brain」はそれを満たした製品であり、さまざまな用途で活躍するとしている。
たとえば、小学校に置き、生徒の表情によって理解しているのか集中しているかを推察して先生をサポート。自宅では、家族の感情や表情を解析し、ふくまろを通じて、愛嬌のあるアドバイスができるようになるとしている。
斎藤氏は「個人の行動を自由にし、個人の暮らしを楽しくする。体と心両方に寄り添った製品を作り上げていく。レノボとの協業によってさらに集中できる体制が整った。出荷台数で世界トップクラスの、頼れるパートナーと結婚したのと同等。これまでのコモディティにありがちな数を追うビジネスだけでなく、より個人への深さを追求できる。しっかり者の女房がいるからこそ旦那は思う存分ヤンチャできる、われわれもそうなりたいと思っている。人に寄り添い、さらに磨き上げていく所存。それがDAY 1の誓い」。
レノボとの協業は、部品の共通点も多く、これまで以上に競争力に弾みがつくだろう。一方で、開発と製造をすべて日本で行っており、日本のユーザーが求める最高のものを提供できる体制はFCCLの強みだ。
BtoBは今後伸びると言われているが、BtoCは年々縮小傾向にある。ただ低価格帯が落ち込んでいるのに対し、15万円以上の製品は伸びているとし、BtoCもしっかりとやっていきたいとした。斎藤氏は「DAY 1000、3年後に具体的なさらなる進化をお伝えできることを約束する」と締めくくり、さらなる飛躍を誓った。
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