米議会が、ロシアのトロール活動の主軸となった要素を明らかにした。
米下院情報特別委員会の民主党議員らは米国時間5月10日、2015〜2017年終わりまでの間にロシアのInternet Research Agency(IRA)が出稿した3000を超えるFacebook広告を公開した。ロシア政府が主導するFacebookでのプロパガンダ活動への関与が指摘されているIRAは、Facebookと傘下のInstagramでこれらの広告を利用して政治的混乱を引き起こし、米国の民主主義を脅かそうとしたと議員らは述べた。
公開された広告はすべてをダウンロード可能になっており、合計データサイズは約7.9Gバイトだ。
米議会は2017年11月の公聴会で、Facebook上のロシア支援の広告に関して一部公開していた。議員らは10日、すべての広告を公開した。
米下院情報特別委員会に所属する有力委員で民主党議員のAdam Schiff氏は声明で、「ロシアがわれわれを分断するために用いたメッセージ、テーマ、画像の種類を直接見ることでしか、将来の攻撃を自ら防ごうと対策し始めることはできない」と述べた。
2016年の米大統領選期間中に頻繁に表示されたこれらの広告は、Facebookの特定のユーザー層にターゲットを絞り、そのニュースフィードにスポンサー投稿としてポップアップ表示されていた。
広告とともに、広告が掲載されたページ、ターゲットにされたユーザー、広告を見たユーザー数、クリックしたユーザー数、掲載期間など、広告に関する統計情報も公開されている。
例えば、2016年6月のある広告は、ワシントンDC在住の16〜53歳で、Hillary Clinton氏またはムスリム同胞団に関心のあるFacebookユーザーをターゲットとしていた。ロシアはこの広告に3981ルーブル(約7000円)を支払った。約1849人がこの広告を目にし、そのうちの94人がクリックした。
ロシア支援の諜報部隊は、こうしたFacebookでの広告に合計で10万ドル相当を支出したとされる。
Facebookは2017年10月、ロシアの支援を受けた工作員が投稿した8万件の投稿を、米国人1億2600万人が目にした可能性について明らかにしたが、今回公開された広告にこれは含まれていないという。下院情報特別委員会の委員らは、これらの投稿も今後公開する予定だと述べた。
Facebookは声明で、「この問題が解決済みだとして葬り去られることは決してない。われわれが直面しているのは、強い意志に基づく創造的で潤沢な資金を受けた広告だからだ。しかしわれわれは、着実に前進している」と述べた。
Facebookは、広告をめぐる失態が明らかになって以来、多数の措置を講じてきたと述べた。
2016年4月に掲載されたスポンサー付き投稿では、「Black Matters」というアカウントになりすましたロシアの工作員らが、バーモント州選出の上院議員Bernie Sanders氏に投票するよう人々に促した。Sanders氏は当時、民主党の予備選挙でHillary Clinton氏と争っていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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