いつまでも、仕事場で必要とされる人でいるには、常に自分の知識や考え方を更新していかなければならない。それは、精神的にも肉体的にも大変なことではあるが、同時に楽しいことでもあるはずだ。今回は、そんな自分の知識や経験の更新に役立つ本を5冊紹介する。バージョンが大きく変わる「バージョンアップ」ではなく、少しでも改善していく「アップデート」なら、それほど辛くはない。今日からでも始めていきたい。
60歳で定年退職してのんびりなどということが許されなくなっている世の中では、健康でいることも重要だが、長く働き続けていく必要もある。ただ、「自分は働きたい」と思っても、それまでの自分のやり方が通用しない新しい考え方ややり方に固執していたのでは、どこも雇ってくれはしないし、誰も一緒に働きたいとは思わないだろう。
柔軟性に富んだ子供とは違い、自分を支える知識や培ってきた経験があるからこそ、新たに学び直すことを、それらが邪魔してしまうことがある。本書では、そんな大人が、学び続けていき、上手に年を取っていくために大切なことを教えてくれる。気づかない間に頭の凝り固まった大人になっていないか、今一度、自分を見つめ直してみようではないか。
学び続けることの意義と学び方を知ったところで、学びに欠かせないのが「読書」だ。とは言え、一言一句を最初から味わい尽くすような読書ではない。もちろんそれも勉強にはなるが、すべての本でそんなことをしていては、レポートや論文を書くといった場合には間に合わない。「読書」という言葉から想像されてきた読み方とは異なる読み方が必要なのだ。
本書は「理科系の読書術」というタイトルだが、「本が苦手な人のための読書術」である。本が苦手な人にとっては、本書を読むこと自体がすでに苦行かもしれないが、難しい本の読み方や本の見つけ方、メモの取り方と、逐一細かく説明されているので、これまで想像していた「読書」ではない本の読み方を身につけたいという人には特にお勧めだ。
知識を増やしたりアップデートしたりすることの重要性に加えて、長く仕事を続けていくには、仕事のやり方そのものも見直していく必要がある。従来からのやり方に固執して、人のやり方をガンとして受け入れられなければ、早晩、どこからもおよびがかからなくなってしまうだろう。怖いのは、そういう自分に気づかないまま年を取ってしまうことだ。
自分とは違う立場にある人のやり方は、そのまま字面通りに受け止めてしまえば、もちろん「役には立たない」。だが、学び続けていれば、その意図するところ、本質を見ることができるようになる。3分でなんか仕事は終わらないというのではなく、3分とは何をさしているのか、どのように仕事の見方とやり方を変えていけば、さまざまなタスクが3分で終わるようになるのか、考えてみる良い機会だ。
仕事と学びの友と言っても良い「ノートと手帳」。人それぞれの使い方があるが、自分や家族の仕事や生活の変化に併せて、ノートや手帳の使い方もまた、変わっていくものだ。本書は主に女性向けではあるが、仕事と生活と子育てを両立し、スケジュールを手帳やノートで管理しているのは女性ばかりではないだろうし、人の使い方を見て、自分では考えてもみなかった使い方を知ることは、とても刺激になる。
本書では、仕事、生活、お金、好きなモノ、学んだことなどの「記録」についてのアイデアもちりばめられているので、単なるスケジュール管理にとどまらない手帳やノートの使い方を知りたい人にもヒントになるだろう。また、手帳やノートと一緒に使える文房具やグッズも紹介されているので、写真を見ているだけでも楽しい。
最後に、英語学習に役立つ本も紹介しておこう。本書は、普通の本ではなく「日記帳」だ。仕事のために英語の勉強をしている人は多いと思われるが、毎日少しでも英語を書き慣れていると、いざというときに助けになる。本書ではその訓練ができる。とは言え、難しいことはなく、毎日のお題に沿って、3行ほどの日記を英語で書くだけだ。書く内容が思い浮かばないという人でも、お題を考える必要がなくて楽だ。
なんと書けば良いか分からないというなら、毎日のサンプル文を参考にして、自分に置き換えて書けばいい。それも無理というなら、いっそ丸写しでもいいだろう。続けているうちに英語で書くことに抵抗がなくなってくる。そのときこそ、自分の好きなお題で書き始めるときだ。ありきたりな言葉だが、「継続は力なり」。
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