ネインは4月24日、LINEの通知やスケジュールなどを音声で知らせるヒアラブルワイヤレスイヤホン「Zeeny(ジーニー)」を発表した。スマートフォンなどの画面を見ずに音声でやり取りをする、新たな生活スタイルを提案する。発売は5月下旬。税別価格は1万3000円になる。
ネインは、2014年に創業したスタートアップ。パイオニアでカーナビゲーションの音声エージェント開発などを手がけていた山本健太郎氏が立ち上げた。スマートウォッチのアプリ開発からスタートしたが、ある時「袖に隠れてディスプレイが見られない。音でメッセージを聞けないなんてもったいない」と思い、リアルタイム音声通知ワイヤレスイヤホンの開発に着手。クラウドファンディングサイトであるMakuakeやKickstarterに「APLAY」「APLAY PULSE」といった同様の商品を出品している。
Zeenyは、リアルタイム音声通知ワイヤレスイヤホンのコンセプトはそのままに、iOSデバイスにも対応した新製品。Android向けだったAPLAY、APLAY PULSEに対し「iPhoneで使えないのは残念」と言った声が寄せられたほか、取扱店が限定されてしまうことから、iOS対応に踏み切った。
10mmのダイナミックドライバを搭載したBluetoothイヤホンで、オーディオコーデックはSBC、AAC、aptXに対応。専用アプリ「Zeeny」をスマートフォンなどにインストールすることで、LINEやFacebookで受信したメッセージの読み上げや、次の予定などを音声で知らせる。
LINE、Facebookのダイレクトメッセージのほか、スケジュール、ニュース、天気予報など任意のアプリから通知情報を聴くことができ、Zeenyアプリの画面から読み上げのオン、オフ設定が可能。Android OSでは、音声をテキスト化してメールで返信する機能も備える。音声は日本語、韓国語、英語に対応し、韓国での販売もスタートする予定だ。
ネイン代表取締役兼CEOの山本健太郎氏は「音声アシスタント機能がプル型であるのに対し、Zeenyはプッシュ型。プル型はこちらからアクションを起こさなければいけないが、Zeenyは自動的に情報を伝えてくれる。できるだけ操作をせずに情報が入ってくることにこだわった」と説明する。
音質面では、独自の「Spicetone」を搭載し、独自チューニングのサウンドフィルターを使うことで、好みの音質に調整できる機能を装備。将来的には、さらに音質をカスタマイズできる、カスタム用パラメトリックイコライザー画面の搭載も予定している。
山本氏は「解決したかったのは歩きスマホの問題。メッセージの確認や返答で足を止めるのはストレス。スマホを見ながら歩く人が増える中で、今後は小学生でも歩きスマホをするようになるかもしれない。そんな未来は見たくない。スクリーンフリーの世界を作っていきたい」と、Zeenyの役割を話した。
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