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セブン・ドリーマーズ「ランドロイド」で世界と勝負--投資賞金1億円のスタートアップイベント

加納恵 (編集部)2018年04月21日 10時00分
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5月の決勝大会日本代表は衣類折りたたみ機のセブン・ドリーマーズ

 フェノックス・ベンチャーキャピタルジャパンは、スタートアップピッチコンテスト「Startup World Cup」の決勝大会を控え、日本代表であるセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズのキックオフ説明会を開催した。代表取締役社長の阪根信一氏が全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」について説明したほか、前回の日本代表でチャンピオンにもなったユニファ代表取締役社長の土岐泰之氏が、その後の変化などについて話した。


左から、FenoxVC CEOのアニス・ウッザマン氏、インフォテリア代表取締役社長CEOの平野洋一郎氏、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ 代表取締役社長の阪根信一氏、ユニファ代表取締役社長の土岐泰之氏、経済産業省新規事業調整官の石井芳明氏

FenoxVC CEOのアニス・ウッザマン氏

 Startup World Cupは、米国シリコンバレーを拠点とする投資会社フェノックス・ベンチャーキャピタルが主催する世界規模のイベント。予選を勝ち抜いた各国の代表が優勝投資賞金約1億円をかけて競い合う。

 2017年に第1回を開催し、15カ国が参加。2回目となる2018年は27カ国28地域で予選会が開かれ、5月11日に米国シリコンバレーで決勝大会を迎える。

 グローバル規模で開催しているため、世界各国の大手企業がパートナーシップに名を連ねていることが特徴。FenoxVC CEOのアニス・ウッザマン氏は「約1億円の優勝投資賞金は、投資金額として大きな額ではないが、決勝大会は2500人以上が来場し、200以上のメディアが取材に訪れる。そういった場でプレゼンができるメリットは大きいと思う」とStartup World Cupのポイントを話した。


セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ 代表取締役社長の阪根信一氏

 日本の予選を勝ち抜いたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズのランドロイドは、2005年のスタートから約13年かけて開発した全自動衣類折りたたみ機だ。

 どんな洗濯物なのかを見極める「画像解析」、衣類を学習する「AI」、布を折りたたむ「ロボティクス」技術から成り、Wi-Fi環境で稼働するIoT機器。2015年の開発発表時から多くの注目を集めてきた。

 阪根氏は「日本代表として決勝大会に行く限りは全力を尽くしたい。イノベーションを起こすのに大切なのはテーマの選定。世の中にないモノ、人々の生活を豊かにするモノ、技術的ハードルが高いモノ、この3つを厳選することで、イノベーションを起こせる」とランドロイド開発の背景を話した。


全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」

説明会では、洗濯物を入れて折りたたむまでを実演した

スタートアップに求められる英語力、コラボ力


インフォテリア代表取締役社長CEOの平野洋一郎氏

 キックオフ説明会では、ウッザマン氏、阪根氏、第1回チャンピオンの土岐氏に加え、日本予選審査員を務めた、経済産業省新規事業調整官の石井芳明氏、日本予選審査員長でインフォテリア代表取締役社長CEOの平野洋一郎氏も参加。5人によるパネルディスカッションも実施された。

 ウッザマン氏が「日本のスタートアップがどうすれば世界で戦えるのか」と問うと、平野氏は「新しいことをやって世の中を変える気持ちが必要。それは少しずつではだめで、どんどんやることが大事。そういう意味では、第1回目の(Startup World Cup)チャンピオンであるユニファの存在は大きい。これで後を追う人がどんどん出てくる」とコメントした。


経済産業省新規事業調整官の石井芳明氏

 Startup World Cupは、各国政府のサポートを受けていることも特徴の1つ。ウッザマン氏が日本政府の考え方を尋ねると、石井氏は「日本におけるスタートアップのエコシステムはいい環境になってきている。これをグローバルにつなげるのは大事なこと。日本はテクノロジ、AI、ビッグデータ、IoT、ライフサイエンス、新素材などの分野に強みがある。これらのスタートアップを世界に展開し、価値を提供するのが、日本のエコシステムにおけるこれからの課題。優良企業を海外の展示会に派遣するなど、応援をしていきたい」と方針を示した。


ユニファ代表取締役社長の土岐泰之氏

 第1回チャンピオンである土岐氏には、世界大会で必須となる英語力についてウッザマン氏が質問した。土岐氏は「あまり英語は得意ではない。決勝大会前は専門のスタッフをつけて英語を勉強した」という自身の英語力を話した後、「現地へ行った方が(英語力を身につけるには)早いと思う。本当に乗り込むしかない世界で、ためらっても仕方がない」と自身の経験を踏まえて答えた。

 ウッザマン氏は「スタートアップの課題は大手企業が提携してくれないこと。阪根さんがこの課題をすでにクリアしているその秘密は」と セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが、パナソニック、大和ハウスとのジョイントベンチャーを立ち上げるなど、大企業とコラボレーションしている点についても触れた。

 阪根氏は「ランドロイドは2005~2015年まで独自開発を続け、2015年の秋に大手企業2社とのコラボレーションを初めた。しかし2005年当時から家電メーカーとハウスメーカーと組みたいという思いがあった。なぜなら家電はスタートアップにしてみると非常に大きなプロジェクトで、完成までには大きな資金が必要だったから」と、大手企業との提携は必須だったと言う。

 その上で「大手企業と組むには、中途半端な技術と成果物ではだめ。技術として仕上げ、さらに特許も出し切ったところで、初めてアポイントを取った。そのアポイントもできるだけ役職が上の人に取ることが必要。全自動衣類折りたたみ機と担当者の方に話しても、上の方に上手く伝わらず、勝負ができないと思った」とその手法を明かした。

 最後にウッザマン氏は「日本代表は2年続けてかなりレベルの高いスタートアップが選ばれている。Startup World Cupはレベルが高すぎて応募できないと感じている企業もあるのでは」と懸念を話すと、土岐氏が「どんな状態であれ、挑戦したほうがいい。シリコンバレーに行って思ったのは、素晴らしいアイデアや技術を持っていても、売上はまだゼロと話すスタートアップもあったこと。でも自信満々でプレゼンしていた。数字が価値ではなく、目指しているビジョンとチームに価値がある場所。早く挑戦してもらいたい」とエールを送った。

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