米商務省は中国のZTEに対し、「輸出特権のはく奪」を科した。つまり、米国企業によるZTEへの製品およびサービスの販売が禁止される。ZTEが2017年の合意条件に違反したとされることが理由で、禁止期間は7年間。商務省産業安全保障局(BIS)が米国時間4月16日に明らかにした。
ZTEは2017年3月、米国製品をイランや北朝鮮に違法に輸出していたことを認め、11億9000万ドル(約1300億円)の罰金を支払うことに合意した。合意条件の1つとしてZTEは、違反行為に従事した従業員に処分を科すことが求められていた。今回の禁止措置は、ZTEがその条件に違反したことを受けたもので、これにより、QualcommやDolbyなどの米国企業は自社のスマートフォン部品をZTEに供給できなくなる。
商務省は16日、従業員の懲戒処分についてZTE幹部らが虚偽の報告を行い、一部の従業員には賞与を全額支給していたと述べた。
「ZTEの従業員と上級幹部に懲戒処分を科すどころか、報酬を与えた。このとんでもない行為を看過するわけにはいかない」」とWilbur Ross商務長官は声明で述べた。
今回の措置の背景に、中国の通信企業に対する圧力の高まりと、米中双方による広範囲にわたる関税の引き上げがある。中国のスマートフォン大手である華為技術(ファーウェイ)は、米国で壁に直面している。米連邦機関の高官らが、米国の通信インフラに対するセキュリティリスクと、諜報活動に利用される懸念を理由に、同社スマートフォンを使用しないように公の場で警告したためだ。AT&TとVerizonは、ファーウェイ製品を販売する計画を中止したと報じられている。小売大手のBest Buyがファーウェイ製品の販売を終了する見込みだとの報道も3月にあった。
ZTEはコメントの依頼に応じなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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