インテグリティ・ヘルスケアは3月29日、同社が提供するオンライン診療システム「YaDoc(ヤードック)」と、日本医師会ORCA管理機構が提供する「日医標準レセプトソフト クラウド版」をシステム連携すると発表した。また、医療機関への普及に向けた包括的な取り組みも開始する。
同社は、福岡市医師会および、福岡市などと共にオンライン診療の臨床における実証事業を展開。臨床現場においてシステムの改善を重ねながら、YaDocを開発してきた。
YaDocは、「モニタリング」「オンライン問診」「オンライン診察」の3つの機能で、通常の診療では捉えにくかった情報を集積し、通院困難な患者の対面診療の補完や、かかりつけ医の機能強化・診療の質向上を図るオンライン診療システム。患者はスマートフォンやタブレットで自身の医療・健康情報などの記録、問診への回答、ビデオチャットによる診察が可能となる。
日本医師会ORCA管理機構は、前身である日医総研にて推進してきたORCAプロジェクトから17年にわたり、医療機関向けレセプトソフトを開発。現在では、診療所を中心に全国約1万7000の医療機関で利用されているという。
日医標準レセプトソフト クラウド版は、「日医標準レセプトソフト」をクラウド化した製品。高い安全性の下、電子カルテなどの医療情報関連のICTシステムと連動でき、地域医療連携・多職種連携への参画が容易にできるのが特徴。
今回の連携により、医療機関におけるオンライン診療の適切な普及と、ICT活用による医療の質的向上を目指す。
同社によると、ICTを活用し、ビデオチャットなどの利用で対面診療の補完をすることを目的とするオンライン診療は、4月より保険適用となり、今後の普及が期待されるという。今回のシステム連携で、新たに「日医標準レセプトソフト クラウド版」を導入する医療機関は、より簡易的な手続きでYaDocを利用でき、オンライン診療を臨床で活用できるようになる。
また、通常手動で行う必要のあるYaDocの患者情報等登録に関しては、日医標準レセプトソフト クラウド版との連携により、リアルタイムかつ自動で患者情報などをYaDocに取り込み可能。
高齢化が更に進む日本では、医療費・介護費の支出は50兆円を超え、2025年には約80兆円に達すると予想されている。そこで同社は、対面診療を補完するオンライン診療システムYaDocの全国普及を図り、地域医療を担うかかりつけ医のより良い医療の実現に貢献するとしている。
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