Facebookが昨年2017年からスタートしたコミュニティ支援プログラム「Developer Circle(デベロッパーサークル)」が日本でも始まり、最初の拠点となる大阪でローンチイベントが開催された。
デベロッパーサークルは、世界の各地域を拠点に「リード」と呼ばれる管理者が主導し、勉強会やハッカソン、ミートアップなどの活動をする。アクティブに活動しているサークルは世界で33あり、各サークルは1~2000人が参加している。リードは誰でも応募できるが選考審査があり、今のところ日本では大阪のみだという。
リードを務める大森貴之氏は京都大学に在学しながら、世界のイノベーション関連情報を発信する「RouteX(ルーテックス)」を運営する起業家でもある。シリコンバレーやイスラエルなど海外のスタートアップで働いた経験があり、大阪市が運営するイノベーター支援拠点、大阪イノベーションハブ(以下OIH)ではアルバイトとしてさまざまな国際イベントを手伝っている。
「以前から日本にスタートアップのコミュニティを作りたいと考えていた時に、OIHのイベントで知り合ったFacebookジャパンの方にサークルを紹介され、リードに応募しました。2017年11月にデベロッパーサークルの運営窓口であるFacebookシンガポールの担当者の面接を受け、リードになることが決まりました。高校の時に情報科学科でプログラミングの経験があったことや、テクノロジへの興味やコミュニティ運営の経験があったこと、バイト先のOIHを拠点に自社のスタッフで運営できるといった点が考慮されたと思っています」
活動についてはFacebookから予算は出るが、運営はガイドラインの範囲内で地域のリードに一任され、スケジュールもすべてリード側で計画する。技術に関しては、「Facebook Open Source」で提供されるツールの使用が推奨されており、それらを学ぶ支援プログラムも活用できる。
3月4日に開催されたローンチイベントにはデベロッパープログラムのリードを務めるElisha Tan氏らが来阪し、サークルについて紹介したのをはじめ、提供されるツールの一例がFacebookのエンジニアから紹介された。日本のオープンイノベーションを紹介するトークもあり、幅広い活動内容であることを印象づけた。
「Facebookの最先端の技術を学ぶだけでなく、プラットフォームを通じて作品を世界に発表することもできます。目指しているのは、次のイノベーションを起こすようなプロダクトを大阪から生み出すことで、具体的にはサークルのプログラムとして年に一度開催されている技術コンテスト 『Community Challenge』への応募があります」
同様のコミュニティ支援はGoogleをはじめとするその他のIT企業も行っているが、大森氏は「そうした活動と競合するのではなく連携していきたい」と言う。「スキルを持つエンジニアや、経験はないけれど興味のある学生やビギナーの方たちが横断的につながる場を提供したり、OIHで活動している他のコミュニティと連携するなどさまざまな活動を通じて、新しいものを作り出していきたいと考えています」
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