若年層がメインユーザーのスマートフォンアンケートアプリ「TesTee(テスティー)」を運営するテスティーと、CNET Japanが共同で現代の若者たちの実態に迫る同連載。
第9回目は10〜20代の男女1559名(10代:822名、20代:737名)を対象に「長時間コンテンツの視聴」に関する調査を実施した。また、10代〜20代の男女282名から「AbemaTV(アベマTV)」のスクリーンショット画像を収集。傾向を分析し、若年層の行動や意識を解明していく。調査は2018年3月5日に実施した。
まず、10代、20代の男女を対象に視聴デバイスについて調査した。「動画や番組(以下、動画コンテンツ)を視聴するデバイス」について尋ねたところ、最も多かった回答はいずれの性年代においても「スマートフォン」となり、10代男性で75.1%、10代女性で83.4%、20代男性で66.9%、20代女性で74.1%となった。
「テレビ」がそれに続き、10代男性で60.8%、10代女性で71.0%、20代男性で66.9%、20代女性で69.9%となり、スマートフォンがテレビを上回る結果となった。また、10代男女の約2割は「タブレット」を利用して動画コンテンツを視聴している様子もうかがえた。
テレビで動画コンテンツを視聴している人(以下、テレビ視聴者)を対象に「視聴ジャンル」を 尋ねたところ、いずれの性年代においても「バラエティー」が最も多いことがわかった。女性においては男性と比べて10代、20代ともに「ドラマ」をよく視聴している傾向にあった。
続いて、スマートフォンで動画コンテンツを視聴している人(以下、スマートフォン視聴者)を対象に「視聴ジャンル」を尋ねたところテレビとは異なる結果となった。テレビ視聴においては「バラエティー」の人気が高かったもののスマートフォン視聴においては性別および年代で各々の傾向が見られた。
男性においては10代、20代ともに「アニメ」番組の視聴率が高く、女性においては10代、20代ともに「音楽」番組の視聴率が高かった。また、男女ともに20代よりも10代の方が視聴率が高い傾向にあることがわかった。「ニュース」においてはテレビに比べて、スマートフォンでの視聴率が低い様子もうかがえる。
スマートフォン視聴者かつ「その他」回答者に、「どんなジャンルの動画コンテンツをよく見ますか?」と尋ねたところ、男女ともに「ユーチューバーの動画」という回答が多く挙がった。他にも、男性からは「ゲーム実況」、女性からは「料理」「ファッション・メイク」などの動画コンテンツを視聴しているという回答も見られた。
続いて、テレビ視聴者を対象に「毎週見ている番組はありますか?」と尋ねたところ若年層の約6割が「ある」と回答。また、テレビとスマートフォン両方で視聴している人を対象に「テレビで見逃した番組をスマートフォンで視聴することはありますか?」と尋ねたところ、若年層の54.2%と半数以上が「ある」と回答した。
視聴ジャンル調査の結果と合わせて見ても、若年層はテレビとスマートフォンをうまく利用して自分の見たい番組を視聴している様子がうかがえる結果となった。
最後に、長時間動画コンテンツを配信している「AbemaTV」にフォーカスし、利用者の10代、20代の男女282名(10代:137名、20代:145名)を対象に、スクリーンショット画像を提供してもらい、周辺アプリの傾向を分析した。
その結果、10代、20代の男女ともに第1位は「YouTube」、第2位は「niconico」となった。差異が見られたのは第3位以下で、10代ではLive配信系の「LINE LIVE」「Mixchannel」がランクイン。20代ではTV視聴ができる「TVer」「FOD」「GYAO!」がランクインした。
10代においては他にも「Tik Tok」、20代においては「Dailymotion」「Amazon プライム・ビデオ」なども見られた。また、「ツイキャス(ビュワー)」や「radiko.jp」も10代、20代の男女に共通してインストールされていることがわかった。
多数のオリジナル番組を提供しているAbemaTVを利用している人を対象に、「もし番組を企画するとしたら、どんな番組を作りますか?」と尋ねたところ、以下のような回答が挙がった。
視聴者参加型番組や、トーク番組を作りたいという声が多く挙がったほか、「昔の人気番組復活企画」「ドッキリ企画」「街頭インタビュー企画」など、さまざまな企画が集まった。
若者においては、デバイスによって視聴する動画コンテンツのジャンルに傾向があるものの、スマートフォンとテレビそれぞれの利点を使い分けて番組視聴している様子がうかがえる結果となった。
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