東芝エルイートレーディングは3月12日、Aurex(オーレックス)ブランドからハイレゾ音源再生に対応したCDラジカセ「TY-AK1」(3月下旬発売、想定税別価格:2万7000円前後)とBluetooth対応のCDラジオ「TY-AH1」(4月下旬発売、同:2万2000円前後)を発表した。AK1ではカセットテープの音源もハイレゾ音源相当へと高音質化して再生できる。
Aurexは、東芝が1973年から1990年頃まで販売していたオーディオブランド。1992年にオーディオ事業から撤退して以降、使用していなかったが、2016年3月にハイレゾ対応CDラジオ「TY-AH1000」の発売を機に復活した。今回は約2年ぶりの新製品となる。東芝エルイートレーディングは、2003年にオーディオ事業を再開。CDラジオやラジオ、ポータブルスピーカなど、ポータブルオーディオの開発、製造、販売を手がけており、CDラジオ、ラジカセカテゴリでは、50%のシェアを持つ。
両機種ともに、本体には6.4cmのウーファと2.0cmのトゥイータを搭載し、192kHz/24bitのハイレゾ音源再生に対応。左右独立型バスレフボックス構造と、合計40Wのハイパワーアンプを採用し、コンパクトサイズながらしっかりした低域と40kHzまでのハイレゾ音源再生を実現する。
CDやMP3の圧縮音源をハイレゾ音源相当にまで高音質化するアップコンバート機能を備え、鮮明で躍動感ある音として再生することが可能。AK1ではカセットテープにおけるアップコンバートにも対応する。アップコンバートは、アップサンプリングとビット拡張後、多機能フィルタ、倍音生成などの工程を経ることで、ナチュラルな音に仕上げていることがポイント。20kHz以降の再生帯域をなだらかに下降させていくことで、リアルなハイレゾ音源の周波数に近づけ、自然な高音質化を目指した。
TY-AK1は、CDプレーヤー、カセットテープ、USB端子、SDカードスロット、AM/ワイドFMチューナを一体化したCDラジカセ。東芝エルイートレーディングによると、世界初のハイレゾラジカセになるという。
カセットテープは、40代以降のシニア層に根強い人気を保っているほか、若手人気アーティストなどがカセットテープで新曲をリリースしている背景などもあり、若年層からも注目を集めているカテゴリ。東芝エルイートレーディング代表取締役の松本健一郎氏は「非常に温かみのある音がする。昔録音したカセットテープをもう一度聞きたいという要望は強く、ここに注目して開発した」とTY-AK1の開発の経緯を話した。
ノーマル、ハイポジションともにテープも再生できるが、録音はノーマルテープのみになる。カセットテープの音源をUSBメモリやSDカードにダビングも可能。オートリバースには対応していない。
TY-AH1は、CDプレーヤー、AM/ワイドFMチューナ、USB端子、SDカードスロット、Bluetoothスピーカを一体化。PCやスマートフォンなどのワイヤレススピーカとしても使える。
いずれも高さ126mm×幅350mm×奥行き218mmで、重量約3.0(AH1は2.9)kg。ラジオのタイマー予約などに対応するほか、マイク端子も備え、カラオケも楽しめる。
松本氏は「CDラジカセやラジオなどのポータブルオーディオは、あまり成長性がないとかんがえられるかもしれないが、今後はいい音にこだわるシニア層が増えること、2020年から始まる小学校の英語教育義務化などにより、伸びしろが大きい分野だと思っている。海外市場では、完全ワイヤレスイヤホンやゲーム用ヘッドホンなども展開しており、今後日本でも発売していきたい。オーディオ事業のコンセプトはポータブルに特化すること。ポータブルカテゴリにこだわり、徹底的に追求していくことで、ポータブル音響の専業メーカーとしてのポジションでたたかっていきたい」と今後の姿勢について話した。
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