ボーズがARに参入、「聴くためのメガネ」実現へ

David Carnoy (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)2018年03月12日 11時46分

 Boseが拡張現実(AR)プラットフォームを開発している。

 Boseが参入するのはARメガネ分野だ。同社はこのほど、動画ではなく音声を扱うARプラットフォーム「Bose AR」を発表した。Boseはこれを初めての「オーディオ拡張プラットフォーム」と呼び、そのプロトタイプ(「聴くためのメガネ」と表現)はモバイルサウンドの未来だと述べた。Bose ARに対応するアプリやサービスなどを開発する企業に5000万ドル(約53億円)を出資する用意があるとしている。


提供:Bose

 Boseの広報担当者は米CNETの取材に対して、今のところこのメガネを消費者に提供する予定はなく、開発者やメーカー向けとなると語った。Bose ARのSDKと、Bose ARメガネの改良アップデート版は、数量限定で2018年夏に提供される予定だ。

 「他のAR製品やARプラットフォームと違って、Bose ARは、見えるものに手を加えるのではなく、内蔵レンズやスマートフォンのカメラを使わずに、使用者が見ているものを認識する。現実世界に、視覚を通じて見える物体を重ね合わせるのではなく、聴覚を通じて得られる情報や体験を追加し、毎日をより良く、より簡単で、より意味深く、より生産的なものにする」(Bose)

 秘密は、このプラットフォーム向けに開発された小さな「極薄」の音響パッケージにあるようだ。Boseによると、モバイルのマイクロ音声の未来を表し、「驚きのパワーと明瞭さ」が特徴だという。


提供:Bose

 Boseはさらに、この技術について、「ヘッドホンやメガネ、ヘルメットなどに搭載可能で、簡単な頭の動きや音声、ウェアラブル端末のタップで、コンテンツを操作できる」としている。

 「Bose ARは、誰もが日常的に使える新たな種類のARだ」と、Boseのコンシューマー向け電子機器部門でバイスプレジデントを務めるJohn Gordon氏は語る。「周囲の環境にデジタル画像ではなく音声を重ねるため、小さなディスプレイではなく、自分を取り巻く素晴らしい世界に集中できる。ユーザーが向いている方向を認識し、その場所と時間を、旅行や学習、音楽などのための無限の可能性にすぐに結びつけることができる。すでに愛用している製品やアプリに追加することが可能で、ARが主流になるのを妨げている大きな障害をいくつか取り除ける」(同氏)

 Boseによると、音楽を聴く、電話をかけるといった主要機能に加えて、Bose ARではセンサを使って頭の動きを追跡するとともに、「iOS」や「Android」搭載端末のGPS機能を使って位置を追跡するという。「センサは動きと位置情報をBose AR対応アプリに送信し、アプリはその情報を統合して、関連するリアルタイムのコンテンツをすぐにユーザーの耳元に送る。この情報は複数のアプリで利用可能だ」(Bose)


提供:Bose

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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