次世代のインターネット接続型防犯カメラをスマートフォンと同じくらいスマートかつ柔軟なものにしたいと考えている5つの企業が提携を結んだ。
米国時間3月5日に発表されたこの取り組みは、「Network of Intelligent Camera Ecosystem(NICE)Alliance」と呼ばれる。NICE Allianceの狙いは、AmazonやGoogle、Netgearなどの企業が現在提供しているスマートカメラよりも、高品質で役に立つ画像を撮影できるカメラを提供することだ。さらに、NICE Allianceはそのための標準のインターフェースを構築したいと考えている。ユーザーが新しいアプリをスマートフォンに追加するように、新しいサービスをカメラに追加できるようにするためだ。
NICE Allianceの発足に尽力したのは、Sceneraと呼ばれるスタートアップだ。残りの4社は、カメラメーカーのニコン、イメージセンサメーカーのソニーセミコンダクタソリューションズ、台湾の設計および製造企業であるWistronとFoxconnだ。全てがうまくいけば、より多くのメーカーが参加するだろう、とSceneraの最高経営責任者(CEO)のDavid Lee氏は述べた。
Lee氏は、「大手メーカーには参加する強い動機があるとわれわれは考えている」と述べた。それらの企業は、AppleとGoogleがアプリストアとアプリでスマートフォン市場を変革したとき、NokiaやEricssonといった企業に何が起きたのかを学習したはずだ、と同氏は話す。「オープンなアプリケーション環境を受け入れなかった大手モバイルハードウェアメーカー各社も事業撤退を余儀なくされた。NICEが作り出そうとしているのは、開発者がさまざまなカメラ向けにサードパーティーアプリを開発できるオープンなアプリケーション環境だ」(同氏)
防犯カメラは大きな市場である。アナリスト企業のIHS Markitによると、北米では、既に何千万台もの防犯カメラが設置されているという。
しかし、防犯カメラには制約も多い。NICEはその問題を解決したいと考えている。
ネット接続型カメラは、自宅で動きを検知したらアラートを送信する機能などを備える。しかし、それらのアラートの信頼性や、ネットワーク化されたクラウドストレージに接続して映像を確認する際の料金に不満を抱いているユーザーもいるかもしれない。
NICE Allianceは防犯カメラをよりスマートにし、画像処理サービスに接続するテクノロジの仕様を2018年後半までに完成させる予定だ。それが実現すれば、アラートやクラウドストレージなどのサービスのために、AmazonやGoogleなどを利用する必要がなくなるだろう。
Lee氏は、「われわれはNICEに準拠した製品を2019年後半に市場に投入したいと考えている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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