2008年11月の創業からまもなく10年の節目を迎えるエウレカ。2015年にはマッチングサービスの「Match.com」などを運営する米Match Groupの傘下になるなど大きな変化もあったが、主力事業である恋愛・婚活マッチングアプリのPairsは、2012年10月のサービス開始から成長を続けており、2018年2月には日本・台湾・韓国の累計会員数が700万人を超えた。
それも、ただユーザー数が増えているだけでなく、そこから約12万人以上のカップルが生まれ、2016年にカップルになった元会員のうちの約半数に当たる、1万8500人が結婚まで至っているというから驚きだ。これは同社による任意アンケートの数字なので、実際にはさらに多くのカップルが生まれていると予想される。売上高も年間130%の成長を続けており、日本よりも伸び率が高いグローバルでは250%の急成長を遂げているという。
マッチングアプリと聞くと、そもそも出会いの機会が少なかったり、異性とのコミュニケーションが苦手だったりするいわゆる“恋愛弱者”が使っているイメージがあるが、実は日常生活で出会いがないわけではない、ごく一般的な人々もメインユーザーだと石橋氏は話す。学校や職場で付き合って別れてしまったら気まずい、SNSでタグ付けされた写真が残ってしまうかもしれないといったリスクを気にして、実社会で始まる恋愛を避ける人を中心に利用されているそうだ。
「若者の間ではマッチングアプリを使うことに抵抗感がなくなってきており、(運営に)サプライズのプロポーズを手伝ってほしいというユーザーや、結婚式に出席してほしいというユーザーまでいる。オンラインデーティングを日本とアジアで文化にする。その過程でオンラインデーティングのマイナスなイメージをプラスに変える。この前人未到の目標を達成できそうな手応えを感じている」と石橋氏は語る。
しかし、米国では既婚者の3人に1人がオンラインで出会っているというデータもあり、日本はまだまだそのレベルには達していない。そのため、「もちろん、結婚が恋愛の形の唯一の最終形とは思っていないが、全体の母数で見たときに、結婚している人の数が増えていれば、それ以外の形で幸せになっている人も増えているはず。だから、年間に60万組が結婚するといわれている日本で、何割を獲得できるかがこれからの勝負」と石橋氏は意気込む。同社では、すでにウェブ広告や屋外広告などを展開しており、今後もさらにプロモーションに投資することで、人口が少なく出会い自体が少ない地方ユーザーも含め、幅広い潜在層の獲得を目指す。
「(米Match Groupによる)M&Aまでは事業を0〜1、そして1~10まで成長させる段階だったが、その後は10~100まで事業を拡大させた。また、経営陣も揃ってきて事業と組織がともに整ってきた。ここからが本当の戦いだと思っている。今後は、Match Groupにいかに自分たちの考えを受け入れてもらうか、また広告展開のためにいかに関係者にアプローチをするかといった、大人の戦い方も求められてくると思う。ただ、僕たちにとって最も重要なのは、ユニバーサルで優秀な人材を育成すること、そして日本とアジアでデーティングサービスの文化を定着させること。この2つさえ合致していれば、あらゆる障壁は手段だと思っている。そのために今後はより胆力を持たなければいけない。自分や経営陣にとっても社員にとっても難しいフェーズになるが、だからこそ面白い」(石橋氏)。
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