NTTドコモは3月1日、スマートフォンなどを利用し、小売店などの商品棚を撮影することでリアルタイムに陳列状況を分析できる商品棚画像認識エンジンを開発したと発表した。
このエンジンは、複数の商品が写った画像から、個々の物体の位置を98%以上の精度で検出できる「物体検出」と、検出した物体を画像データベースと照合させ、どの商品に該当するかを95%以上の精度で特定し認識する「特定物体認識」のふたつの技術で構成されているという。
従来の画像認識技術を搭載した商品棚分析端末では、高精度に商品を認識するために、商品が正面を向いていること、前列に陳列されていることなどの撮影条件が必要となっていた。一方、同エンジンでは、商品の向きや陳列位置に撮影条件がなく、陳列スペースが狭く商品を詰めて陳列する場合でも商品位置の特定が可能。また、市場に流通する数百万種類の商品の認識に対応し、新商品であってもデータベース登録すれば、すぐに認識できるという。
商品メーカーが売上の要因分析をするために、店舗棚割の実態を把握することは重要だが、現在はラウンダー(店舗巡回担当者)が手作業で棚割をデータ化するため、手間や時間がかかっていると同社では説明する。同エンジンを活用することで、入力ミスの減少によりラウンダーの生産性が向上、作業時間の大幅な削減に寄与できるとしている。
なお、同エンジンを用いたファーストユーザーであるサイバーリンクスが、同社のAI技術を活用した画像認識エンジンと、サイバーリンクスの商品画像データベースを組み合わせたサービス「棚SCAN-AI」を4月2日から提供する。棚SCAN-AIでは、スマートフォンなどで売場(商品陳列棚)を撮影した画像から商品情報や陳列位置情報を判別して、店頭陳列(棚割)をデータ化。店頭分析をしたり、棚割システムと連携したりできるという。
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