ANA、定型業務の効率化へ--ソフトバンクと羽田空港で自動運転バスの実証実験 - (page 2)

坂本純子 (編集部)2018年02月26日 17時35分

「自動化は人の仕事を奪うのではなく共存共栄できる」

 自動運転は、搭載される技術によって5つのレベルに分けられている。今回は、すべての操作が自動化されているが、運転者用の制御機器があり、緊急時は運転席にいるドライバーが操作する「レベル3」相当と、同様のドライバー不在ですべてを自動化する「レベル4」相当の2種類の実証実験が行われる。

ANAとの提携ロードマップ
ANAとの提携ロードマップ

 レベル3相当では、(1)公道でのレベル3の実証実験(正着制御や障害物回避などを含む)、(2)制御技術やセンシング技術の高度化に向けたAI(人工知能)技術の活用可能性の検証、(3)加減速制御の活用による車内転倒事故の減少、乗り心地改善に係る検証の3点。レベル4相当では、(1)交通規制をかけない公道で、かつ運転席が無人の状態でのレベル4相当の実証実験、(2)遠隔運行管理システム「Dispatcher」を使用した遠隔操作の検証を実施する。

これまでの自動運転実験のあゆみ
これまでの自動運転実験のあゆみ

 整備場地区は、制限区域内なので一般公道と比較して、飛び出しなどのリスクが限定的であること。また空港内の車両は速度制限が時速30キロで、コントロールしやすい環境にあるといった特性があるという。

 SBドライブは、自動運転技術を研究・開発する先進モビリティとソフトバンクの合弁会社として2016年4月に設立。都内や沖縄などで実証実験を重ねてきた。

 ANAとのコラボレーションについて、「大型バスの実験、渋滞の実験、雪道の実験など実績を積んできた。その中で、2017年10月ごろにANAから将来の羽田空港での実用化を見据えて実験をしていかないかと声をかけていただいた」(佐治氏)と語った。

 一方のANAグループは、客室乗務員へのiPadの導入など長きに渡ってソフトバンクとの付き合いがあり、ANA ホールディングス 代表取締役社長の片野坂真哉氏は、「(ソフトバンクは)非常に近い存在」と信頼を寄せる。

ANAは、技術革新によってより少ない労力と人数で働きやすい環境の整備を目指す
ANAは、技術革新によってより少ない労力と人数で働きやすい環境の整備を目指す

 今回の実証実験に向けては、「大型バスで使えること。既存のバスに装置を入れて実用化に進めるので可能性が高いと感じた。2020年以降の実用化に向けて、第2ターミナル、北の端から1キロ以上に渡るターミナル間の輸送を今年度下期より進めていく。航空業界は、労働集約型のビジネスで、地上支援業務では数十年間仕事の進め方が変わっていないのが実情。自動運転だけでなくロボットスーツによる負荷の削減、コンテナへの自動積みつけなど、自動運転を活用してシンプル&スマート化でより少ない人数で誰にとっても働きやすい環境をつくりたい」と説明する。

 自動化やAIの活用については、「自動化が人の仕事を奪うのではなく、人の動きを安全に短時間に効率よくできることで浮いた人間のパワーを別の分野に活用し、共存共栄できるのではないか。たとえば、コールセンターにおける自動アドバイスもその一つ。オペレーターが馴染みのない地名を言われたときに、その地域の画面を表示するだけでもお客様との会話がスムーズになる。AIの力を借りて、人間の仕事がまた磨かれていく、サービスの改善につながることを期待している」と説明した。

ANA ホールディングス 代表取締役社長の片野坂真哉氏(手前)とSBドライブ 代表取締役社長兼 CEOの佐治友基氏(奥)
ANA ホールディングス 代表取締役社長の片野坂真哉氏(手前)とSBドライブ 代表取締役社長兼 CEOの佐治友基氏(奥)

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