英国時間2月11日、多数の政府系ウェブサイトが訪問者のコンピュータを利用して仮想通貨をマイニング(採掘)しようとするマルウェアの危険にさらされていたことを、あるセキュリティ研究者が発見した。
研究者のScott Helme氏は、英国の情報コミッショナー事務局(ICO)や医事委員会のほか、国民保健サービス(NHS)など、英国、米国、オーストラリアにおいて、4000を超えるウェブサイトがこの問題の影響を受けたと報告した。
Helme氏は、この問題の発端が、盲目や弱視の人がインターネットにアクセスできるようにするプラグイン「Browsealoud」にあることを突き止めた。このプラグインが改ざんされ、「Monero」(「Bitcoin」と競合する仮想通貨)をマイニングするプログラム「Coinhive」が追加されていたのだ。Browsealoudの開発元であるTexthelpは声明を出し、2月11日に4時間にわたってこの不正プログラムがアクティブだったと述べた。現在、このプラグインは修正されているが、2月15日まで取り下げたままにしておくという。ICOを含む多くのウェブサイトも一時オフラインとなった。
The ICO’s website will remain closed as we continue to investigate a problem which is thought to involve an issue with the Browsealoud feature.
— ICO (@ICOnews) 2018年2月12日
仮想通貨をマイニングするソフトウェアは、それ自体は違法ではないが、そのようなソフトウェアをウェブサイト所有者の同意なくインストールするマルウェアは不正だ。英国立サイバーセキュリティセンターの広報担当者は声明で、現在、犯人を突き止めるための捜査が行われており、技術専門家らが今回のインシデントから取得したデータを調査していると述べた。
「影響を受けるサービスはオフラインにされており、問題は大きく緩和された。政府系ウェブサイトは引き続き、セキュアな方法で運営されている。現段階で、一般市民が危険にさらされていることを示唆するものは何もない」(広報担当者)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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