「Apple Watch」「Android Wear」「Garmin」「Fitbit」などの心拍センサが、糖尿病の初期兆候を85%の精度で検知できることが、アプリ開発企業のCardiogramとカリフォルニア大学サンフランシスコ校の共同研究で明らかになった。
この研究はApple WatchやAndroid Wearのユーザー1万4000人が参加して実施された。研究では、センサを用いて集められた健康関連のデータを用いてディープニューラルネットワーク「DeepHeart」を訓練し、調査参加者が糖尿病を患っているか否かの判断ができるようにした。DeepHeartにはこれまでにも、心房細動、高血圧、睡眠時無呼吸症の検知で高い精度を示した実績がある。
2015年のフラミンガム心臓研究では、低い心拍変動と高い安静時心拍数が、その後12年の間に糖尿病を発症する前触れとなる予測因子であることがわかった。Cardiogramの研究ではこの知見を生かし、心拍数と歩数の測定値2億件を用いて分析を行った。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、米国の成人は1億人以上が糖尿病あるいは前糖尿病の状態にあるという。しかし、糖尿病患者のうち4分の1が病名診断を受けておらず、前糖尿病の人に至っては、88%以上がそのことを知らない。このような状況のもとで、Cardiogramの研究は、人々がすでに装着している心拍センサに人工知能(AI)に基づいたアルゴリズムを組み合わせると、糖尿病の初期兆候を検知する極めて重要なツールになり得ることを実証したと言える。
これまでにAppleは、糖尿病患者向けの針を使わない非侵襲的な血糖値測定用センサの開発に取り組んでいると報じられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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