楽天コミュニケーションズとSQUEEZEは2月1日、民泊向けIoTサービス「あんしんステイIoT」を共同で開発したと発表した。民泊や簡易宿泊施設のオーナー向けに、同日からサービスを提供する。月額料金は4300円〜。
楽天コミュニケーションズは通信インフラに特化したサービスを提供している、楽天のグループ会社。SQUEEZEは宿泊事業者向けの運用支援サービス「mister suite(ミスタースイート)」をはじめ、宿泊施設を効率良く運用するシステムなどを手がけるスタートアップで、2014年に設立した。
あんしんステイIoTは、宿泊施設の運営に必要になる「宿泊者名簿作成」、「本人確認」、「鍵の管理」、「個人情報の管理」、「宿泊者のサポート」などの作業を、クラウドやIoT機器を使って軽減できるというもの。民泊や簡易宿泊施設などに導入することで、2020年の東京オリンピック、パラリンピック開催に向け懸念される宿泊施設不足の解消を、システム面からサポートする。
SQUEEZEが提供する管理物件の予約や清掃管理のシステム部分を切り出したSaaSモデル型サービスである「suitebook(スイートブック)」と連携することで、フロントや客室に用意されたタブレットのカメラを使って本人確認ができたり、スマートロックを使って物理鍵をやりとりすることなく、スマートフォンで宿泊施設の客室を開けたりすることが可能。宿泊者サポートは、SQUEEZEが運用する外部スタッフが24時間対応するほか、宿泊施設の清掃管理なども請け負う。
SQUEEZEでは、宿泊事業者向けの運用サービスサポートとして、mister suiteを提供。問い合わせに対応するオペレーターとして在宅ワーカーを起用しているほか、清掃は宿泊施設の近くに住むハウスキーパーに依頼するなど、アウトソーシングの仕組みを整える。
各宿泊施設には、スマートロック、騒音センサ、IoTゲートウェイのIoT機器を導入。これらを「あんしんステイIoTサーバ」と結びつけることで、物理鍵の受け渡し作業を省くほか、近隣への騒音対策などの設備が整う。
楽天コミュニケーションズ 代表取締役会長 兼 社長の平井康文氏は「楽天が持つ技術力やブロックチェーンを使った本人確認手続きなど、アドバンテージはいろいろあるが、これ以上に大きいのが楽天が持つ国内9000万の会員。これに宿泊施設の運営ノウハウを持つSQUEEZEが加わることで、相互補完の関係が築けた」と両社が提携する強みを話す。
SQUEEZE 代表取締役CEO 舘林真一氏も「本人確認やセキュリティ管理など、自社で開発していくのは難しい部分。楽天という大企業のトップセキュリティを使用できることは大きなメリット」と続けた。
楽天では、民泊事業を手がける「楽天LIFULL STAY」をすでにスタートしているが、平井氏は「楽天LIFULL STAYは、予約業務が中心。こちらは宿泊施設の運用管理に特化しており、サービスのレイヤーが違う。楽天LIFULL STAYへの導入については検討を進めている」とコメントした。
平井氏は「訪日外国人旅行者の増加を受け、宿泊施設の需要増が見込まれてる。2020年には19万室が必要になると推計しており、これに合わせて宿泊施設の業務を外注する需要も高まる。具体的な事業計画についてはコメントを差し控えるが、少なくともサービスを開始する本年度中に数千の部屋を獲得したい」とした。
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