現在の自動車市場は電気自動車(EV)と自動運転車が注目を集めていて、当然フォード・モーターも自動運転技術の応用を検討している。例えば、自動運転車に関する特許として、自動運転中に映像表示用の画面を出す技術、不要なハンドルとペダルを取り外す技術などを申請中だ。
そんなフォードの傘下企業であるFord Global Technologiesは、自動運転技術を警察のパトカーで活用する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間1月18日に「AUTONOMOUS POLICE VEHICLE」(公開特許番号「US 2018/0018869 A1」)として公開された。出願日は2016年7月12日。
この特許は、自動運転で走行する自動車が何らかの法律違反をしているほかの自動車を発見し、追跡するなどの対応を自動実行する技術を説明したもの。つまり、パトカーが自動走行するだけでなく、違反車両の取り締まりまで実行するアイデアである。
違反の内容は限定しておらず、速度超過や信号無視などが考えられる。違反の有無は、自動運転パトカーに搭載されているセンサからの情報に加え、信号機や道路に設けられる監視カメラなどのデータも判断材料とする。
違反車両を見つけると、自動運転パトカーは追跡を始める。違反車両のナンバープレートを撮影するといった対応も自動実行する。
さらに、自動運転パトカーは違反車両に対し、無線通信で違反の事実を通知する。違反車両は、この通知への応答として、自動運転モードであると答えたり、人間のドライバーが運転中であると返したりする。人間が運転している場合は、運転免許証の情報や画像を自動運転パトカーに送信するような対応もするという。
運転を自動化するだけでないため、自動運転パトカーというよりも、自律取り締まりパトカーと呼ぶのにふさわしい技術だ。違反車両の運転車をその場で確保せず、とりあえず違反の証拠を集めておき、後から然るべき対応をする、ためのロボットと見なせるだろう。
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