楽天は1月29日、野村ホールディングス傘下の朝日火災海上保険の普通株式および甲種優先株式について、公開買い付け(TOB)により完全子会社化すると発表した。
買い付け予定株式数は1689万1288株。公開買付価格は、普通株式で1株あたり2664円、甲種優先株式では1株当たり1万656円となる。買い付け期間は、2018年1月30日から2018年3月13日まで。株主の野村ホールディングスなどから株式を取得し、買収額は約450億円に上る予定だ。
楽天市場などのECをはじめ、旅行予約サイト、クレジットカード、銀行、証券、決済サービス、電子マネー、MVNOなど70以上のサービスを提供する楽天は、国内1億アカウントを抱える楽天IDや、「楽天スーパーポイント」などのロイヤリティプログラムの展開により「楽天経済圏」を確立。会員の購買データなど活用したマーケティング会社も新設したほか、保険分野に関しては、2013年より「楽天生命」を展開している。
同社では、各サービスが持つリスク(トラベル事業では旅行中のけがや病気など)を低減させることで、楽天会員のサービス利用時における安心感を提供できることから、2017年1月ごろより損害保険業への参入を検討していたという。朝日火災海上保険の買収により、全国規模の代理店販売チャネルと楽天のネット販売チャネルの融合、楽天グループ各企業との提携、楽天の持つ会員データなどを活用した新商品開発などが見込めるとしている。
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