家電見本市「CES 2018」に展示された鏡は、人の姿形を映すだけではなく、肌の状態や衣服、健康状態などについても語ってくれるものだった。メーカー各社は、こうした「スマートミラー」に、カメラやWi-Fi、コンピュータによる学習機能などを導入して、昔ながらのただの鏡を、インタラクティブなデジタル制御ハブに変えようとしている。
小規模なスタートアップ企業から、家電大手まで、各社からスマートミラーが登場している。なかには、「HiMirror Mini」のように、一部の国で2018年内に発売される製品もある。それ以外はまだコンセプトの段階だが、これはテクノロジ業界流の言い方で、要するに、市販まではだいぶ時間がかかるという意味だ。
米CNET記者の目を引いたスマートミラーを紹介しよう。
OSメーカーのCareOSが目指しているのは、これからのスマートミラーを支える頭脳になることである。CESで同社は、CareOSソフトウェアを搭載する鏡の実動プロトタイプを発表した。なかでも注目を集めたのが、顔認識や、肌分析(50ドル(約5500円)で今夏発売されるNeutrogenaの「Skin360 SkinScanner」と同様の機能)。ジェスチャ制御にも対応しているので、画面を触らなくて済む。CareOSの担当者によると、時期は未定ながら2018年末までに発売される鏡製品で、このソフトウェアをリリースする予定だという。
Haier(ハイアール)のコンセプトミラーであるMagic Mirrorは、このスマートミラーが鏡に映った人の服装を判定するというより、その人自身に判断させてくれる。同社が描くクローゼットの未来図はこうだ。購入する衣料品には、素材や取り扱い上の注意といった情報が記録されたRFIDタグが付けられる。Haier製の鏡でRFIDタグをスキャンすると、その商品が仮想のクローゼットに追加される。鏡面はタッチスクリーンになっていて、現実のファッションカタログのように使うことができる。手持ちの衣服を、自分の身体のイメージに重ねられるのだ。Haierの担当者によると、同社の洗濯機も衣服のRFIDタグを読み取り、鏡と通信するので、お気に入りのシャツを何回洗ったか記録できるようになるという。
他の多くの製品と同様、Haierの製品もまだコンセプト段階であり、発売の時期や値段については発表されなかった。
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