ドコモ、QR決済サービス「d払い」発表--月々の携帯料金に合算、ローソンなど

 NTTドコモは1月17日、スマートフォンに表示したバーコードやQRコードを読み取るだけで決済できる「d払い」を発表した。ドコモ以外の携帯キャリアユーザーでも「dアカウント」を取得することで利用可能。4月より提供を開始する。


ドコモがスマートフォンのQRコード決済に対応。ローソンなど1万9000店舗で利用可能だ

(左から)ローソン執行役員マーケティング本部長の野辺一也氏、NTTドコモ執行役員プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏

 d払いは、支払い時に専用アプリでバーコードやQRコードを表示。それをd払い対応のPOSレジや決済端末で読み取ることで決済できるサービス。代金は、月々の携帯電話料金との合算のほか、クレジットカード払い、同社のポイントサービス「dポイント」での支払いも可能。また、200円あたり1ポイント(ネット決済では100円あたり1ポイント)貯めることができる。料金合算サービスのため、10万円が決済の上限となる。

 これにより、クレジットカードを持たないユーザーでもキャッシュレス決済が可能になり、すでに提供している「iD」や「DCMX」に加え、実店舗での新たな決済手段として展開する。18歳未満のユーザーの場合、保護者が利用可否の権限を設定でき、利用可能とした場合、決済額は1万円が上限となる。また、タブレットPOSアプリ「Airレジ」でも導入が決まっており、中小規模の店舗でも導入可能だ。


d支払いアプリを立ち上げるとQRコードとバーコードが表示される。バーコードはPOS端末、QRコードはPOSレジアプリ「Airレジ」などで利用する

「Airレジ」でQRコードを読み取る様子

 ドコモの決済サービスは、1999年のiモードにおける電話料金合算払いにはじまり、iDやDCMXといったおサイフケータイを活用した決済サービスを展開。電話料金合算払いの利用者は1500万人を超える。また、2005年からはEC向けの決済サービス「ドコモケータイ払い」、2015年には各ECサイトで利用できる「dケータイ払い+」を開始。2016年の取扱高は4000億円に達するという。なお、d払いの提供開始に合わせ、dケータイ払い+の名称もd払いに統一される。

 ローンチ時は、ローソンやマツモトキヨシ、高島屋、タワーレコードなど10社、計1万9000店舗での取扱いを予定。コンビニ、スーパー、ドラッグストア、飲食店、アパレルショップなどでの導入を進め、早期に10万店舗以上の展開をめざす。


ローンチ時の利用可能店舗

 ローソン執行役員マーケティング本部長の野辺一也氏は、店舗側の導入メリットとして業務効率化をまず挙げる。「コンビニは少額決済のため100円玉が集まってくる。それを口座で紙幣に置き換える作業が必要であり、これが業務工数になってしまう。また、24時間運営する上で、現金があるのは防犯リスクにもなってしまうほか、支払い時の煩雑さがレジ待ちの要因にもなっており、それをみた顧客が買わずに去ってしまうなど、機会ロスにつながってしまう。非現金決済だと明らかにレジの会計スピードが早くなり、購買につながってくる」と語り、現在80%を超える現金支払い比率をd払いによって下げたいとしている。


d払いにより、購買情報を可視化することでエンゲージメント向上に活用するという

 NTTドコモ執行役員でプラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏は、「携帯事業以外でのサービス収益を図っている。決済事業については大きく伸びており、我々としてはチャンス。リアルでの決済の多様性が求められており、iD、おサイフケータイ、QRコード決済などスタイルにあわせて用意する。混乱しないようにコミュニケーションする必要があるが、お客様の多様性をうまく吸収するラインアップを揃える」と語った。1500万人を抱える電話料金合算払いユーザー基盤をもとに、送客の面でもドコモが支援するという。

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