Drop Inのインターカム機能は、お互いがどこにいるのか分からないと、うまく使えない。Alexaにはアナウンス機能がないらしく、妻は家じゅうのEcho端末から「デビッド、どこにいるの?」と呼び掛けることはできない。
インターカムの音質もあまり良くない。部屋の遠くからAlexaに話しかけるのは可能だが、Echo端末から離れたところにいたり、音が出る作業をしたりしているときに、相手の言っていることをインターカム越しに聞き取るのは難しい。例えば、キッチンで調理中の相手とのドロップインはほぼ使い物にならない。
また、いまだにAlexaのウェイクワード問題を抱えている。壁でしっかり仕切られた部屋の中でなら、各部屋で「Alexa」をウェイクワードとして使える。だが、我が家には3つの部屋のEcho端末がすべて呼び掛けを聞き取ってしまうエリアがある。そこでは「Alexa」という呼び掛けは機能しない。この3つの部屋では、1台には「Alexa」、もう1台には「Echo」、3台目には「Computer」と呼び掛けることにしている。
また、1つのEcho端末から、別の端末でのアラームを設定したりキャンセルしたりする方法が分からない。例えば、リビングのEcho端末に「Alexa、寝室で午前8時にアラームを設定して」と命令して実行させることができない。こうした機能はそのうち追加されると思う。
別の部屋で鳴っているアラームやタイマーをキャンセルすることもできない。キッチンで設定したタイマーが鳴っていても、仕事部屋のEcho端末に「Alexa、キッチンのタイマーをキャンセルして」とは頼めない。キッチンに駆け込んでタイマーをキャンセルするか、スマートフォンでAlexaアプリを起動しなければならない。
Drop In機能と同様、アラームやタイマーも家全体をサポートしてほしい。もしくは、稼働中のアラームやタイマーを別の部屋に移動できるといい。例えば、キッチンでタイマーをセットしてからリビングに移動するとき、「Alexa、リビングにいるよ」と言えばアラームやタイマーもリビングについてくるといい。
Alexaはここ数週間、少しおかしい。ウェイクワードを言わなくても勝手に話し出すことが頻繁にあるのだ。クリスマスの後に顕著になったので、私はこれは、AmazonがすべのEcho端末を自社の広大なクラウドの頭脳に統合するための“成長痛”なのではないかと推測している。
だとしても不気味だ。
このせいで、Alexaがずっと私たちを監視し、会話を聞いているのではないかという、不気味さを感じている。Alexaはウェイクワードをきっかけに聞き取りを始めるのであり、クラウドに送信するのはウェイクワード後の命令だけだということを知ってはいる。だが、家のすべての部屋にEcho端末を置いている私たちは、Alexaがウェイクワードなしでランダムに話し始めるようになってから特に、少し被害妄想気味になっている。
これは、今話題の「盗聴するアシスタント」問題になりそうだ。私たちは“ビッグブラザー”の可能性をかなり意識しており、こうしたデバイスが私たちの言うことをすべて聞き取り、記録できるのだという考えを完全に拭い去ることはできないだろう。たとえそれが杞憂だとしてもだ。
だが、個人情報を収集することから得られるメリットについても私たちは知っている。GoogleやFacebookのように。パーソナルアシスタント提供企業が1社でもプライバシー保護に関して信頼を裏切るようなことをすれば、パーソナル音声アシスタント市場全体が崩壊するだろう。
今のところ、私たちは慎重だが楽観的だ。Alexaが突然話し出す症状から回復してくれれば、我が家の生活にAlexa対応端末を歓迎する。だが、それは暫定的なことだ。もしこの不気味な症状が続くなら、端末をお払い箱にして昔に戻って石器人のように手で照明をつけたり消したりしよう。
「Alexa、トイレに置くEcho Dotを発注して」──。そう言おうかと思っている。いやいや、いろんな懸念は分かっているけれど、そう思っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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