米航空宇宙局(NASA)は、火星や月、小惑星などの探査に使う特殊なドローン「Extreme Access Flyers」を開発中だ。大気が極めて薄かったりほぼ真空だったりする環境で飛ばすため、プロペラでなくガスを噴射して飛行する仕組みを採用する。
Extreme Access Flyersは、火星などで水や鉱物などの資源を見つけるためのロボット飛行機。地上を移動するタイプの探査車両では到達できないような、急斜面を越えたクレーターの内部などの探索を想定している。
形状はクワッドコプターと呼ばれるプロペラを4個持つドローンと似ている。しかし、火星のように大気が希薄な環境や、月や小惑星などそもそも大気が存在しない場所だとプロペラを回転させても十分な浮力が得られないため、Extreme Access Flyersはガス噴射の反作用を利用して飛行する。
地球から遠く離れた惑星で探査をするため、通信に時間がかかってしまい、地球からのリモートコントロールで制御することはできない。そこで自律飛行させる必要があるものの、地球上と違ってGPSに頼ったナビゲーションは行えない。開発チームは、地形を認識して自動飛行する機能をExtreme Access Flyersに搭載して問題解決を図る。
Extreme Access Flyersは単体で機能せず、探査車両などを母艦として利用し、バッテリ充電や推進ガス補給などを行う。また、重さ7g程度の試料を採取して持ち帰る機能も備え、試料を母艦で分析する。
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