2017年も幕を閉じようとしている。1年間の主要な話題と、そこから得られた教訓を振り返ってみるのにちょうどいい時期だ。本記事では、米国と英国、オーストラリアのZDNet記者が選んだ7つのトレンドを紹介する。
2017年1月の「CES 2017」では、Amazonの音声アシスタント「Alexa」を搭載するデバイスが多く見られ、Alexaプラットフォームが話題を独占した。2017年の後半になると、同社は価格帯と使い方に応じた複数の「Echo」デバイスを発表した。そして、11月にAmazon Web Services(AWS)の開発者会議「re:Invent 2017」の開催を迎えるころには、Alexaはプラットフォームとして優勢になり、今では一部のビジネスシーンでも使われるようになっている。端的に言ってAWSとAlexaは、市場シェアから見ても、マインドシェアや開発者の支持という点からも、ライバルを圧倒している形だ。
全体的に、Alexaにとっては忙しい年だった。世界で最もスマートではなかったかもしれないが、Alexaは間違いなく軌道に乗った。これほど普及してくれば、あらゆるデータと情報を吸収してもっとスマートになるはずだ。この新たな音声ユーザーインターフェース自体が、Alexaと呼ばれるようになるかもしれない。
2016年の米国大統領選と、英国の欧州連合(EU)離脱について、グローバリゼーションやテクノロジ業界の動きに対する反動だと説明するのは簡単なことだ。だが、ロシアのハッカーがFacebookなどのソーシャルメディアを悪用して米国の有権者の間に疑惑と論争の種をまいたという報道の方が、テクノロジ業界に対する批判としては、間違いなくずっと強力である。
Facebook、Google、Twitterの代表は、10月末からの米議会上院の公聴会に出席し、そういった情報操作や干渉を許している現状についての証言を求められた。これを1つのピークとして、2017年はFacebookには多難続きの年だった。Facebookは一貫して、「偽ニュース」の拡散に関する責任が特に大きいと糾弾されている。同社とMark Zuckerberg氏は、問題を修正して信頼を回復すべく奔走し、新しいポリシー、モデレーター、アルゴリズムを次々と打ち出さねばならなかった。
Zuckerberg氏は2月に新しいFacebookの宣言文を発表した。そのミッションは、「世界のつながりを密にする」というものだ。ニューヨークでメディア向けに開かれたホリデーパーティーで、Facebookはコミュニティーにおける同社の役割と、社会的に良好な事例の数々について語り、同社の技術、つまりソーシャルメディアと「Oculus」が孤立しているという指摘を払拭しようと努めた。実際には、Facebookは善悪どちらの目的にも利用できるだろうが、1つだけ確かなことがある。ソーシャルネットワークが強大になるほど、その責任も大きくなるということだ。
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