Appleが米国時間12月20日、「iPhone」の比較的古い一部の機種で性能を意図的に抑える場合があることを認めた。リチウムイオンバッテリの経年劣化などによって、シャットダウンが起きる問題を防ぐためだという。
Appleがこの措置を始めたのは、「iOS 10.2.1」をリリースした2016年のことだ。対象は「iPhone 6」「iPhone 6s」「iPhone SE」の3機種で、気温が低い環境やバッテリ残量の低下、またはバッテリの経年劣化といった状況によって電源周りのトラブルが発生し、デバイスがシャットダウンされるのを防ぐためだった。
さらに「iOS 11.2」で、この電源管理機能を「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」にまで拡大したと、Appleは認めた。
Appleは米CNET宛ての声明で次のように述べている。
「当社は、お客様に最適な性能をお届けすることを目標としている。全体的な性能を維持し、デバイスの寿命を延ばすこともその1つだ。リチウムイオンバッテリは、気温が低い環境やバッテリ充電が十分でない場合、またはバッテリの経年劣化によって、大量の電力需要に対応する能力が低下する。その結果、電子部品を保護するためにデバイスが突然シャットダウンするおそれがある。
当社は昨年、iPhone 6、iPhone 6s、iPhone SEを対象に、前述の状況でデバイスが突然シャットダウンされるのを防ぐ必要がある場合に限って、一時的な大量の電力需要を緩和する機能を導入した。さらにこのたび、iOS 11.2を搭載するiPhone 7にもこの機能を導入した。将来的には、これ以外の製品にもサポートを追加する計画だ」
ベンチマークソフトウェア「Geekbench」を手がけるカナダのPrimate Labsの創設者、John Poole氏は現地時間12月18日、iPhoneの古い機種でプロセッサのパフォーマンスが低下する現象を報告し、これの原因がiOSである可能性があると指摘していた。Appleの20日の声明は、同社が顧客に新しいデバイスを買わせるために、古いデバイスの性能を意図的に低下させているという、いわゆる「計画的な陳腐化」説を払拭する目的があると思われる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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